27.と ページ27
「さぁ、どうする？
全てを知られたからには無事に帰す訳にはいかないんだよ。」
本気なのか。
眉間にある銃口が強く押し付けられる。
あの優しくてカッコいい尊敬していた櫻井警部の姿はもう何処にも無い。
「警部…、教えてください。
どうして私に近づいたんですか？
わざわざジョギングまでつけてきて…
私から何を探ろうとしてたんです？」
「あー…
そうだね、教えてあげるよ。
お前に気のあるフリしてまで近づいた理由。
二宮だよ。」
「に…の、みや？」
「あ？気づかなかった？
二宮は前から俺のことを怪しんでたの。
だからこっちも二宮には警戒して、仲良さそうなお前に近づき、あいつの行動を聞き出そうとしてた訳。」
何それ…？
二宮は櫻井警部がボスだって勘付いてたってこと？
そんなコト一言も…
ん？
よく考えたら確かに櫻井警部の前では存在消してたし、毒吐いてた。
あれって嫌いってわけじゃなくて
そういう事だったの！？
「でもコレで何もかも終わり。
お前の謎の死にアイツは真っ先に俺を疑うだろう。
よって、俺は今この瞬間を持って警察官を辞めることにする。」
「警部…っ！？」
カチャリとリボルバーが周る音がして
引き金を引く準備が出来た。
「悪いけど、もう俺はお前の上司でも
警部でも何でもねぇーんだわ。」
不敵に笑う警部に為す術がない私。
「悪いな、桃島。」
ああ…っ、
もう、ダメ…！！
.
二宮…、ごめんね。
アンタの元へ帰るって約束、
守れそうに…無い…
ごめん、ホント。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3025人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2017年5月25日 23時
