干物女、恋愛するってよ。3 (ページ10)

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81.モヤページ10

そんなピッチピチちゃんに仕事を教えていたら、

「Aー。
今、忙しい？」

午後に入っても寝癖をつけたままのサトチが現れた。

いつもなら「忙しい」って雑に返事してた私が
その声に大きく反応。

「忙しく、ないっ！」

「声、でかっ。笑」

ほわん…と笑う
その笑顔はいつもと変わらないのに

まともに直視できないっ！

「桐島さん、
誰ですか？」

何故か動揺してる私に
ありすちゃんが後ろからヒョコっと顔を出す。

「あ…、この人は本社開発部の大野智さん。」

「大野です。」

「サトチ、
この子は今日からうちの部署に配属された深瀬…
「深瀬ありすですっ♡
よろしくお願いしますっ♡」

おおいっ！
先輩の言葉の上に被せてきたよ！

「うん、よろしく。
あ、で、A。
このさぁ…」

サトチは後輩の目から出る♡ビームに怯むことなく
用だけ済ませたらさっさと事務所を後にした。

「大野さん素敵っ♡
本社勤務のイケメンとかっ♡
彼女いるんですかー？」

「さぁ…？」

サトチがいなくなって
キャイキャイ言い出す新人肉食系後輩を見て
トリンドルが私にコソッと耳打ちをする。

「A、今時の若い女子って
凄いガツガツしてるね。」

「私、似たような人知ってるよ。」

トリンドルは自分のことを棚に上げ
露骨に引き気味だったけど

私も…

心のどこかでモヤっとしていた。