92.赤提灯 ページ21
「へいっ、お待ちっ！
おねぇさんは焼豚ラーメン…と、
おにぃさんはネギラーメンにネギ大盛りねっ！」
おっきな声の店主が
おっきなラーメンどんぶりを
どんっ！どんっ！と
私たちの目の前に置く。
「きゃっほー♡」
待ってました！
愛しの焼豚ラーメンさま♡
「いっただっきまぁーす♡」
「食べて食べて！
ここのラーメン、ホント美味しいからさっ！」
ここは相葉さんが連れてきてくれた
品川駅付近にある
高架下のラーメン屋台。
哀愁漂う屋台車には
ぼんやり灯る赤提灯の灯り。
このちっさな屋台で相葉さんと2人
横に並んでラーメンをズルズルすする。
う〜ん…
これよ。
これこれっ！
干物女が好んで行く飲食店ってのは。
おつまみの餃子なんかもあった日にゃ
週5で通うの決定だったわ。
昔ながらの中華そばの中に
ぐるぐる渦を巻いたナルトがひとつ。
パクッと食べて幸せを感じる。
「おじさーん、替え玉下さいな。」
「えっ！？嘘でしょ！？
早くねっ！？」
「だって相葉さんの奢りだもん。」
「ちょっ、もしかして俺ヤバイこと言った？」
「タダ飯と知った時の私の胃袋は宇宙と化す。」
「あははっ！それならどーぞ。
ブラックホールでもなんでも食べて食べてっ！」
「おじさーん、生中も追加で。」
「あいよー！」
「ええええっ！？ビールも！？
しょーがないっ、今日は特別ビールもいいよ！」
「相葉さんっ！好きっ！！」
「ひゃひゃっ！
やめて、ニノが怖い…」
どんっと置かれたビールをグイッと一口。
タダ飯、タダ酒。
しかも翔くんの好きなアイドルビール。
くぅーっ！
たまらんー。
そんな私をニッコニコ見ながら相葉さんが口を開いた。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2016年6月5日 0時
