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70.自転車の後ろに君の体温 ページ35
な、な、な、
ナンダコレハ！？
さすがの干物女でもドキッとしたよ。
危うく心臓が口から飛び出るとこだった。
よかった呑み込めて。
なのに。
「いや、Aの運転がヘタクソで
落ちそうだったから。」
だってさ。
おーい、ドキッを返せやーい！
「お客さん、お触りは別料金発生しますよー。」
「勘弁！勘弁！
それだけは勘弁してー。」
「ひどいなー、サトチ。
さっきAだって女の子って言ったくせに。」
「それとこれは別の話。
うわー、払いたくねぇー。」
「ちょっと、ホント乗車拒否していい？」
「でも、離したくねぇー。」
「…。」
あっぶな。
また心臓が口から飛び出るとこだった。
そんな意味で言ったわけじゃないって
分かってるんだよ？
分かってるんだけどさ。
さっきよりぎゅうって回されてる腕はなに？
背中に感じるサトチの体温はなに？
「離したくない」って、なに？
あ。
待って、待って。
社長と違って
サトチに触れられて嫌じゃない。
あれ？
あれあれあれあれ？
おかしいな。
脈拍、早くない？
え？嘘でしょ？
私…、
サトチにドキドキしてる！？
ええええ！？
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2016年3月24日 22時
