52.睨み合い ページ17
カコーーン！
ししおどしの音が響く。
向かいに座ってるパーシーズの3人。
イケメン、メタボ、メタボな嫁。
「…。」
「…。」
「…。」
とりあえず会食は始まったものの
なんか…
可笑しな空気。
これは干物女の直感。
きっと翔くんと社長は合わない。
さっきからお互いに目で殺し合っている。
口元を歪ませて笑って。
なのにアメリカンスタイルなのか
空気が読めないのか
このメタボなお節介アメリカ人は
グイグイ私たちのことを訊いてくる。
仕事の話そっちのけで。
「When, do you plan to be your marriage?」
はぁ？なんて？
英検3級しか持っていない私には聞き取れず。
すかさず通訳に来ていた相葉さんを見る。
「あ、"2人の結婚はいつ？"だそうです。」
誰と誰が結婚するのよ！？
「俺は明日にでもしたいんだけど
彼女が仕事真面目でね。」
それ、誰の話よ！？
はぁぁッ？みたいな顔をしたら
正座している私の足の指をぎゅうっ！とつねられた。
「へぇーーーーーーーーーー。
毎晩コイツと一緒に飲んでて
そんな話、初めて聞きましたー。」
低ッ！！
翔くんの声、低ッ！
あと、毎晩は飲んでないぞ。
「俺ね、束縛しない主義なの。
ああ、ソッチの方は縛ってますけどね。」
初耳だらけだわ！！
いや、初耳しかないわ！！
「HA HA HA HA！！！」
メタボ大爆笑。
いや、相葉さん…そこも訳す？
なにこれ？
これが接待で
実質大切な商談って場の雰囲気？
なんかもうツッコミどころ満載で。
でも口にしてツッコめない私は
運ばれてくる高級な料理を
ひたすら笑顔で食べるしかなかった。
ああ、美味いっ♡
やっぱりタダ飯最高っ！
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2016年3月24日 22時
