干物女、恋愛するってよ。2 (ページ12)

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47.場違いページ12

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干物女が好む飲食店ってのは
1人でも気兼ねなく行けるようなお店。

例えば

すき牛。
おまけにお財布にも優しい。

それに並んでうどんの製麺所。
安い、早い、美味い！
あれは神的。

あとはゴゴイチのカレー屋さん。
量や辛さが自由なのがいい。
ちなみに私は400グラムの辛口チーズカレー。
女が食べる量じゃない。

…と、要は
手軽も手軽なお店しか好まないわけ。

たまにトリンドルに連れて行かれる
ハワイ初のパンケーキ屋さんだとか。
クリステルと肉バルだとか。

お付き合いで行くけど自分の意思では行かない。

なんせ、お洒落なお店は気を使う。

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そんな私が。

今、

カコーーン！

と、ししおどしの音が響く料亭にいる。

ドラマでよく観るような
それはそれは立派な料亭。

緑深いお庭はしっかり手入れされていて
豪華な和で整えられた重厚感のある室内に
緊張から萎縮してしまう。

完全なる場違いだ。

「おい、歩き方。
手と足が一緒に出てるぞ。」

「社長、私やっぱり帰りたい。」

「はぁ？却下ですけど。」

「だって！私、浮きまくり！」

「社長の俺にビンタするような女が
何を今更チキってんだよ。」

「あれは社長が悪い。」

「はいはい、俺が悪いね。
じゃあ行くよ。」

土壇場でゴネる私の話なんて完全に聞く耳持たずで私の手を掴むと
美人女将に奥の部屋へと案内された。