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伊野尾ちゃんに何て声かけたらいいんだろう。
何もなかったようにいつも通り話す?
それともやっぱりあの事に触れる?

俺はどうしたいんだろ…伊野尾ちゃんのこと振るの?
振らないとして付き合える?
てか、そもそも告白されたわけじゃないのか。

楽屋のソファーで頭を抱えた。

ガチャと開いた扉から、おはよ〜と2人で仲良く入ってきた伊野尾ちゃんと雄也。伊野尾ちゃんはぴったり雄也にくっついて、腕を組んでる。


…え?俺のこと好きなんじゃねぇの?


いつもなら気にならない光景なのに、なぜかモヤモヤする。伊野尾ちゃんは俺を視界に入れようともしない。

何もなかったことにしようという選択肢が自分の中にあったにも関わらず、伊野尾ちゃんがそれをしようとしてるのが気にくわない。

悩んでいたことが嘘みたいに、体が自然と伊野尾ちゃんの方へ動いた。


「伊野尾ちゃん、ちょっといい?」


「へ?」


俺から声をかけられるなんて思ってもみなかったであろう伊野尾ちゃんの驚いた顔。


「外で話できない?」


伊野尾ちゃんからのOKをもらうと、そのまま外へ連れていった。



勝手になかったことになんてさせないよ。



なんて思いつつ、
でも俺はまだ自分の気持ちが分からないままだった。

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作者名:雨のち雨 | 作成日時:2024年3月17日 23時

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