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山田とお別れして、たくさん泣いた。
幸せをもらった分、やっぱり寂しい。
言わなきゃよかったって、後悔もした。
好きな気持ちは簡単に消えないから、今まで通りまた隠して生きていけばいい。山田に迷惑はかけない。気まずさも出さない。
山田は嫌かもしれないけど、1番プロ意識高いからきっと上手くやってくれる。
大丈夫、と自分を鼓舞している時に入ってきた山田からのメッセージ。
【今度の仕事終わり、俺の家で話がしたいです。お願いします。】
らしくない少しかしこまった文章に、嫌とは返信できなかった。
何を話すっていうんだろう…。
また小さな不安を抱えながら、久しぶりに会う仕事は思いの外すぐににやって来る。
バラエティーだったのはありがたかった。仕事は2人ともいつと通りこなした。
ちゃんとボケれたし、山田もすぐツッコんでくれた。
楽屋では全く話さなかったけど、普段から話す2人じゃなかったから、メンバーは特に気にした様子はなかった。
そう、いつも通り、だった。
収録終わが終わると、誰よりも早く楽屋に戻って、誰よりも早く着替えて、俺のことをソワソワと待ってる山田をみんなが不思議そうに見てる。
ゆっくりでいいよ、って俺に言うけど、余りにも山田が挙動不審だから、慌てて着替えた。
知念だけはそんな山田にずっとスマホ向けてたから、たぶんあれカメラ回してたと思う。
「ごめん、お待たせ」
声をかけると、行こっかと山田と一緒に楽屋を出た。
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作者名:雨のち雨 | 作成日時:2024年3月17日 23時