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想像以上に伊野尾ちゃんとの恋人生活は楽しくて、順調だった。連絡も毎日とって、たまに電話をしたり、ご飯にいったり、うちに来たり。
伊野尾ちゃんといると、自然と笑顔になる。
相手は同じ男、俺より背が高くて、肩幅だってそれなりにある。それなのに、ふとした瞬間に、可愛いなぁって感情で埋め尽くされたりする。
明日は伊野尾ちゃんとオフが被ったから、1日出掛けようということになった。
そう、デートだ。
鏡の前で服を選びながら恋愛ソングを口ずさんでる自分がいて、思わず動きを止めた。
…俺って、もしかして
「伊野尾ちゃんのこと好き?」
鏡に映る自分に問いかけるように出た言葉は、心のなかにストンと落ちた。
いつから好きだったんだろう…。
どこが好きかなんて聞かれたら、きっと答えられないくらい不確かで、自分のなかで曖昧で。
でも、俺、伊野尾ちゃんが好きなんだ…
そっか。俺たち両想いだ。
気分が良くて、止まっていた歌を続けた。
就寝前に、おやすみと
【明日楽しみだね】
とメッセージを送れば、すぐにきた
【俺も】
という短い返信に、幸せを感じて眠りについた。
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作者名:雨のち雨 | 作成日時:2024年3月17日 23時