はじめからもう一度(ymin) (ページ12)

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友達と恋人の境界線ってどこだろう。
はっきりとした違いってあるのかな。
キスできるかどうか？それともからだの関係？

山田の「泊まってく？」は、きっと知念に言う意味合いと一緒。でも俺のなかで、恋人の家に泊まるってのは、なかなかなイベントなわけで…ちょっとした温度差。そんなことを気にする自分が思ったより女々しくて驚いた。

でも駅まで送ってくれるってだけで、テンション上がっちゃって、その理由が恋人だからって言葉にキュンキュンしちゃって、俺って本当に単純。

そんな些細なことで感情を振り回されるなんて、俺本当に山田が好きなんだなぁって改めて思い知らされる。

「じゃあ気をつけてね！家ついたらちゃんと連絡いれてね！」

「送ってくれてありがとう！ご飯もありがとね！」

改札に入る前にお互い手を振る。

あー、今のすっごくカップルぽかったなぁ。

こういう時マスクしててよかったなって思う。
きっと俺今、変な顔でにやついてる。

家につく間際に、【もう帰りついた？】って山田からメッセージ。少しだけ仮の恋人なんてことは忘れて、ただ小さな幸せをかみしめた。