はじめからもう一度(ymin) (ページ11)

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美味しい！美味しい！とほっぺを膨らませて食べてくれる伊野尾ちゃん。

あんな風に食べてくれるとこっちも作りがいがある。

これからはもっとお家に呼んであげよう。

「デザートはいる？買ってきたアイスとかだけど」

「いるー！アイスは別腹～！」

ソファーに座り直して、テレビを見ながらのんびりアイスを食べる。

「伊野尾ちゃんの１口ちょうだい、俺のもあげる」

「…ありがとう」

メンバー間ではよくあることなのに、伊野尾ちゃんは少し恥ずかしそうに俺のアイスをかじった。

仕事の話やプライベートの話をして、テレビを見て２人で笑って穏やかな時間がすぎる。

日付を跨ぐ少し前、伊野尾ちゃんがソファーからゆっくり立ち上がった。

「そろそろ帰ろうかな、遅くまでいすぎちゃった」

「泊まってく？２人とも明日仕事おそいよね？」

「、、、ううん、大丈夫。ありがとう」

「そう？」

「うん、今日は本当にご馳走様！」

荷物をもって玄関にむかう伊野尾ちゃんのあとをついていく。

「じゃあ…って山田なにしてんの？」

「ん？靴はいてる」

「今から出掛けるの？」

「駅まで送ろうと思って……」

「え！いいよ！もう暗いし、寒いよ」

「いいの！恋人を駅まで送りたいの！」

伊野尾ちゃんは、また顔を赤くして、ありがとうと少しだけ笑った。