車にて ページ16
「見すぎなんだけど…」
恥ずかしそうにいう山田は
一瞬俺に視線をやると、すぐ前に向きなおした。
運転する山田を見るのは初めてで
助手席に俺が座ってるのもまだ不思議な感覚で
思わずじっと見てしまっていた。
セットされた髪におしゃれなサングラス。
山田は今日もイケメンだな。
「イケメンだなぁと思って。運転する山田もかっこいいよ」
「…運転中だからあんまり可愛いこと言わないでね」
わぁお。山田の耳真っ赤だ。
「かっこいいに可愛いも追加で」
「あんまからかわないで…事故るよ」
「はーい。てか今日どこ行くの？」
「とりあえずお昼にお寿司食べ行こうかなって思ってて」
「え！寿司？俺ちょー好き！」
「ふふふ、たくさん食べて！」
自慢気になった山田の表情に違和感を感じて、
もしかして…と思った疑問を山田に素直に聞いてみる。
「俺の好きなものリサーチしたでしょ？」
「、、、ん？」
「大ちゃんと光に聞いたでしょ」
「、、、そう言うのは気づかない方が可愛いんだよ」
さっきまでの表情とは打って変わって
子供みたいに少しいじけた表情に変わる。
「ちゃんと気づいて恋人の可愛さを再認識してるとこ」
そう言うと、
恋人というワードに山田の口角がピクリと上がる。
分かりやすい。
「じゃ、じゃあさ、恋人らしく名前で呼んでよ。山田じゃなくてさ」
たしかに…２人とも名字のまんまだったな。
山田と伊野尾ちゃんじゃ恋人らしさは皆無。
「りょうすけ…涼介、いいね、名前で呼ぶの」
教師と生徒から、
恋人という関係に変わったって
名前を呼ぶと実感する感じ。
せっかく名前を呼んだのに
提案した山田は無反応…と思ったら
目の前にあったコンビニに車を
駐車して、両手で顔を覆った。
「え。なに？どうした？気分悪くなった？」
「無理…」
「は？」
「運転中に名前呼ばれるの無理…事故る…びっくりした」
「いやいやいや、お前が言ったんじゃん」
「そうだけど…心臓に悪い」
こいつ大丈夫かな…。
こんなんで付き合っていけるなかな。
心臓止まんないかな。心配だわー。
「もう呼ばないほうがいい？山田に戻そうか？」
「それはもっと無理」
「わがままだなぁ」
あほすぎて笑っちゃうよ。
あんなに大人びた顔になったのに
こういうとこはまだ幼い。
「涼介って本当に俺のこと好きなのな」
「うん、慧のことめっちゃ好き」
あ…俺もちょっとドキリとした。
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雨のち雨(プロフ) - こここここさん» 嬉しいコメントありがとうございます(*^^*)！短編１話だけですが、あげさせていただきました！ (4月7日 12時) (
レス) id: f308a3c4d4 (このIDを非表示/違反報告)
こここここ(プロフ) - こんにちは。このお話大好きです。幸せになってからの二人のその後も読んでみたいです。 (4月7日 7時) (レス) @page14 id: 60de11d6bd (このIDを非表示/違反報告)
雨のち雨(プロフ) - inunekoさん» コメントありがとうございます！そう思っていただけたなら嬉しいです(*^^*)最後までお付き合いくださりありがとうございました！ (3月29日 7時) (レス) id: f308a3c4d4 (このIDを非表示/違反報告)
inuneko(プロフ) - 終わり方素敵すぎます…！2人とも可愛すぎる〜 (3月29日 0時) (レス) @page14 id: 9eb63571d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨のち雨 | 作成日時：2024年3月3日 23時
