バイト先の好きな人(ymin) (ページ12)

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はにかむ伊野尾さんページ12

「プレゼントが被るなんてことあるんだ」

「2人とも鍵そのままポケットに入れてたから」

２人で笑いながらそれぞれ貰ったプレゼントを手に取る。

デザインは違うけど、ブランドもののキーリング。

俺も伊野尾さんも、家の鍵をそのままポケットにいれているから、いつか失くすよね、なんて話をしてた。

対照的な赤と青のキーリング。

「俺ら考えてること同じですね」

「すごいよね、嬉しいなぁ。本当にありがとうございます。俺青色好きなんです」

へへへって笑う伊野尾さんは、とても大切そうに俺があげた青色のキーリングを手に持って見つめていた。

「こちらこそありがとうございます。大事に使います」

伊野尾さんから貰った赤いキーリングにさっそく鍵を通す。

キーリングを見ながら一生これしか使わないと決めた。

「今年のクリスマスは伊野尾さんと過ごせて良かったです」

素直な気持ちを口にすると、驚いた顔をして固まる伊野尾さん。

「あ、あの、俺も山田さんと過ごせて本当に良かったです」

そう言ってはにかむ伊野尾さんが可愛すぎて倒れそう。

伊野尾さんは首もとからだんだん赤色が広まり、耳まで分かりやすく赤くなっていた。

きっと俺もつられて真っ赤になっているはすだ。

「幸せだな…」

そっとつぶやいた声はきっと伊野尾さんまで届いていない。

大好きな伊野尾さんと初めての最高のクリスマス。