バイト先の好きな人(ymin) (ページ2)

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コーヒーが飲めない伊野尾さんページ2

「まずは、メニューを覚えて、説明できるようになることから始めましょう！」

小さなカフェだから、メニュー数はそれほど多くない。

ケーキなんて2種類しかないし。

コーヒーが好きな人が来る店っていう感じ。

だからそれほど忙しくもない。

ただ朝から夜遅くまで開けている珍しいカフェ。

店長は他の経営もしているらしく、バイトの俺に店をまかせて、たまに姿を消したりする。

「ふぇぇ、、、コーヒーもこんなに種類があるんですね。飲めないから全然分かんないや」

「え、コーヒー飲めないんですか？」

「そうなんですよ～。カフェオレなら飲むんですけどね～」

伊野尾さんは少し変わってる。

「コーヒー飲めないのに何でここでバイトを？」

きょとんとした顔して、俺を見つめて目をぱちぱちさせる伊野尾さんは男だけどやっぱり可愛い。

「バイトする理由にコーヒー飲めるか飲めないか関係なくないですか？」

「いや、まぁ、そうですけど…」

「山田さんって変わってますね！」

普通ならイラっとしそうな返しにも、惚れた弱みなのか、自分に向けられた笑顔にキュンとした。