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たろおはよ
今日も一日が始まった。
昨日はいつも以上に体調が悪くて
苦しくて仕方がなかった。
でも今日はなんだか気分がいい。
動画を見ながら
今日が終わるのを待つ。
暇だな〜
そう思えることすら幸せなことなんだ
なんてそんなことを考えていると
ママが来てくれた。
ママ「なんかいいことあった?」
『なんもない。ちょっと気分がいいだけ』
ママ「ならよかった!」
コンコンコン
扉の音が鳴ると
ゆっくり扉が開いた。
『たろちゃん』
ずっと来てなかった彼が
会いたかった彼が目の前にいる。
彼が来たのが昨日じゃなくて
今日だったことに安堵する。
ママ「することがあるから!」
そう言って帰る準備をはじめたママ
まだ来たばかりなのに…。
ママ「いいことあったね」
『ママ…』
たろちゃんに聞こえないように
私の耳元でニコッてそう言った。
ママには全部お見通し。
『こないでって言ったじゃん』
自分にも嘘つかないほど嬉しくて
絶対顔に出てしまってるはずなのに
そんなことを言ってしまう。
それでも思ってもないことを
ペラペラと喋る私は凄いかも。
正面にいたたらちゃんが
ゆっくり近寄ってきて
ママが座っていた椅子に腰掛ける。
これ以上近寄らないで。
いま、優しくされたら
すぐ泣いちゃうから。
何も言わないで。
お願いだから。
「会いたいってそれだけなんだよ」
その言葉を聞いた時には
涙が止まらなくて
頭の中はぐちゃぐちゃだ。
『っっんーっだろ゛ー』
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作者名:唯音 | 作成日時:2023年1月10日 17時