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さとみside
な「とりあえず布団には寝かせたけど、まだ熱計ってないよね?」
『あ、ごめん俺それ頼まれたわ』
俺よりもよっぽどお兄ちゃんらしい弟が主導権を握るのを見て、何故か嫌な気がしないのは俺が弟大好きだからなのか、、、
頭ではそんなことを考えながらさっき持ってきた体温計をるぅとの脇に挟みこんだ。
20秒も待てば音が鳴り、俺は即刻小さな液晶画面を確認した。
『るぅとは平熱低めだけど、熱だとどうなんの……か…な……』
文字通り口が間抜けなほどに開いた状態で、俺は固まった。
こ「何度だった?早く見して」
『え、あ、うん』
やや強引に体温計を奪い去っていったころんもやはり、目を見開いて固まった。
やがて画面を見た兄弟皆にその衝撃の波は広がった。
ジ「るぅと…の平熱って35度台やんな、間違いないやんな」
な「うん…これは俺もびっくりだわ」
り「……俺も見せて」
それまで黙ってただ呼吸を繰り返していたりいぬがベッドから耳をひょこっと出してそう言う。
枕元に体温計を置くとそろそろと布団から手が伸びてすーっと引き込まれていった。
り「……っは…?」
りいぬも驚いたようで、小さく声を漏らした。
り「39…度、2分…!?」
そう。
平熱35度台の彼は約4度体温を上昇させていた。
俺たちの知らぬ間に必死に辛さと闘っていたのかと思うといつの間にか視界は充分にぼやけていた。
それからは大変だった。
普段から良く体を壊すりいぬは体調不良のときの対処法が分かる。
でも、るぅとのパターンは初めてだった。
まず荒い息を繰り返すだけでとてもまともに話せる状態じゃない。
さっきまでその足で立っていたというのが不思議なくらい。
話せなければ具体的な症状も分からない。
人によって合う薬と合わない薬があるからちゃんと効くかも分からない。
るぅとがいかに普段気丈に振る舞っていたのか、身をもって知った。
こ「うちにあるやつ全部りいぬが合う薬なんだけど、るぅとにも効くかな」
いつの間にか棚から出してきたらしく、ころんが薬の箱をいくつか見せてきた。
『解熱剤、咳止め、胃腸薬、頭痛薬、吐き気止め……って、多いな』
り「……なんかごめん」
『いや、大丈夫。…多分』
まさに手探り。
何もかも分からなすぎて。
な「闇雲に試すのは危ないよ。一応これらは全部医薬品なんだから」
薬の知識なんかない。
俺たちは、暫し途方に暮れかけた。
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あたおか星人 - 自信0%さん» コメントありがとうございます´ `*リクエストいつでも受け付けてますよ!闇落ちですね、了解しました!遅くなってしまったらすみません…。男性に近い方なんですね!把握です!自分に対してってなかなか自信持てないですよね…(黙れ) (2021年5月16日 22時) (レス) id: 0a2ba83602 (このIDを非表示/違反報告)
自信0% - 多分、僕は男に近いと思います。よくわからないですけど。それでお願いなんですけど、もしリクエスト終わってなかったら、ころんくんの病み落ち書いてください (2021年5月14日 1時) (レス) id: 3d2318e663 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうふ*脳逝農園 - テスト終わったー!!!!! うれしー!!! あと、、、あたちゃんのほうが絶対かわいいでー´ `* (2021年3月1日 0時) (レス) id: f3c742e4c9 (このIDを非表示/違反報告)
あたおか星人 - 柚葉さん» 柚葉ありがとうT Tいつか相談するかもしれないかもしれなくもなくなくもない!(?)まぁ今が最終話で多分今日続編いくけどw (2021年2月28日 23時) (レス) id: 0a2ba83602 (このIDを非表示/違反報告)
あたおか星人 - チョコさん» わぁあありがとうございます><コメントしてくれたのとても嬉しいですっ!ぜひこれから沢山絡んでくださいね!呼び方は、なんなら呼び捨てでw (2021年2月28日 23時) (レス) id: 0a2ba83602 (このIDを非表示/違反報告)
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