辛い時でも頼り辛い。<stxxx>part3

14　　リク　ジェル　不眠症 ページ14

きゅうふ様リクのっ！

ジェルくんの不眠症！


＊＊＊＊＊


ジェルside






羊が…562匹。








はぁ。


ここまで数えたんやで。
少しは影響してほしいやん。








眠りたくないと言いながら寝落ちした中学時代とは違う。





今は眠りたいとも眠りたくないとも思う。








俺はここ一ヶ月くらいまともに寝てない。
寝ても浅い眠りを五分くらい。






初めは断続的に浅い眠りを繰り返して、「あぁ眠れないな」みたいな感じだった。




だんだん睡眠時間も削れて、今じゃ夢を見る感覚を忘れる程に寝ていない。








その原因は、分かってる部分も多少あったりする。





……まぁこれは俺の性格だからなんとも言えんけど。




一応話すけど……。




俺は性格上他人からの自分の評価を良く気にする。




コメントは一字一句逃さず見るし、ひとたびアンチを見たならしばらくは悩む。





こういうの向いてないのか、とか。
俺は結局は駄目だったのか、とか。




考えて考えて、気づけばいつも回りの目を気にして。



いつも良い方に言われていないと不安になるからエゴサする時間はどんどん増えた。




回りの目が気になり過ぎて常にチェックしていないとどうにかなってしまいそうで。


自分で自分を壊してしまいそうで。


狂っていると認めるのがいつか怖くなってしまいそうで。







皆には「ちゃんと寝てる」「俺は健康そのもの」って言ってる。

無駄な心配はさせたくない。






それでも目の下の隈が濃くなるのが憎くて、化粧用ファンデーションは隈のために使った。






長い時間ブルーライトを目に浴びて視力はどんどん落ちて、キーボードを打つ指は次第に流暢になって。

元からの猫背はより悪化した。




…………羊が563匹。





羊が564匹、羊が565匹、羊が566匹 。









心身が疲れはてた俺は、眠りに落ちようと布団を被った。







それでも冴えた目が見つめる先は何もない。



空を見る自分の目が虚ろであることは、何も見なくても知っていた。

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