すとぷりのお姫様は愛されている！５ (ページ33)

今日:12 hit、昨日:13 hit、合計:362,683 hit

#7 ページ33

.

ストーカーは捕まったらしい。

ストーカーに加えて、誘拐。
そして行為まで及ぼうとしたから罪は重そうだ。

落ち着いたら私にも話を聞きたいと言われて、とりあえず服を着てみんなに連れられて家に帰った。

すぐ浴室に駆け込んだ。

触られたところを流した。

でも感覚が消えない。
思い出すと嗚咽が出る。

なんとか抑えて、リビングに戻るとみんなが一斉に私の方を見た。

ななもり「さくちゃん、」

『...言わなきゃダメ？声に出すのもつらい』

どうせ警察に行ったら聞かれるんだ。

メンバーにも話した方がいいのはわかるけど、思い出したくもないし蘇ってくる。

『あ、でも最後までやられたわけじゃないから別に気にしないでよ』

最後までやられたとかやられなかったとか。
そんなの本当は関係ない。

そりゃやられる前に助けてもらったのはありがたいし、心から感謝してるけど。

この気持ち悪さは変わらないから。

ころん「馬鹿なの？気にするに決まってんじゃん」

るぅと「ころちゃん...」

ころん「だって、」

ころちゃんは泣いていた。

みんな優しすぎるんだ。
人の苦しみを共有してしまう。

さとみ「俺が悪い」

ななもり「さとみくんのせいじゃないよ。ここにいる誰のせいでもない」

『...さとちゃんはいつだってヒーローだよ』

さとちゃんは帰りのタクシーで私にずっと謝っていた。

でも、さとちゃんがいなかったら私助かってないよね？

誰も悪くない。

強いて言うなら私の不注意であり、一番悪いのはあのストーカーなんだから。

ななもり「今日はみんなで泣こっか。みんないつも頑張ってるよ。いつも頑張ってる。どんなにつらいこと言われても。...俺達はずっと一緒だよ」

みんなが頼りにしている。

この活動でこんなに上手くいっているのはリーダーであるなーくんのおかげだ。

そんな人にこんな言葉をかけられたら、自然とまた涙は出てきていた。