幼なじみだからって、簡単に近づけるとは限らないから！

３話目 ページ5

Aside

教科書を入れようと、机の中に手を入れると、指に鋭い痛みを感じた。

手を引っ込めると、指の先に細い筋ができていて、

そこから赤い液体が滴っていた。

中を見てみると、カッターが仕込まれていた。

すごく…古典的なイジメだなぁ…

『ねぇ、カットバン持ってる？』

私は後ろの席の子に話しかける。

「うん、あるよ。はいどーぞ。」

『ありがとう！』

私はその子からカットバンを受け取り、切れた指に貼る。

「また嫌がらせ？先生に相談したら？」

『心配ありがと。でもいいの、慣れてるし、相談したら、時間取られるでしょ。』

「入学してからずっと嫌がらせ受けてるじゃん。」

『まぁねー。』

ま、物が無くならないだけいいのかな…

なんてことも考える。


中学んときもこんなんだった。

毎日、女子からの嫌がらせが続いた。

廊下を歩いただけでヒソヒソ噂されるんだ。

ビッチだの、なんだのかんだの、って。

もううんざり。

だから嫌だったんだ。

あの人たちと関わるのは。


まぁ、もう慣れっこだけどね。

最近になって思う。

他人に嫉妬してる奴ほど、惨めで、醜く、愚かなんだって。

そして、それを誰かに八つ当たりする奴は、もっと愚かだ。

けど、それが嫌で大切な人を避けて傷つけてしまうような奴は、それよりも遥かに愚かだ。

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