2日目。 ページ3
窓が茜色に染まり始めた頃。
「…ん、こんくらいかな?」
やっと、段ボール箱の底が見え始めた。
つい先程まで 殺風景だった部屋が自分の私物でいっぱいになり、自分の色の部屋になる。
こうして順調に進むに連れて、これから一人暮らしが始まるんだな〜、とか 記念すべき最初の晩御飯は何にしようかな〜、なんて、一人暮らしに対する実感がふつふつと湧いてくる。
部屋の隅に積まれた段ボールの荷解きを済ませて、そっと息を吐く。
心做しか足取りが軽やかだ。
両親には申し訳ないけど、一人暮らしはとても魅力的なのだ。
自分の食べたいものを食べたい時に食べて、自分の寝たい時に寝て、自分の行きたい時にのんびり大学に向かって。
そして、やりたい事を満足するまでやっても、誰にも怒られない。
自分を自分で養って行くわけだから、誰に何の文句を言われる筋合いもない。
なんて最高なんだ!!!
どうせゲーム三昧になるんだろうな、なんて新作ゲーム機のコードをテレビに繋ぎながら 思わず苦笑い。
最後のコードをテレビに突き刺す。これで、今出来る大体の事は終わり。
後、することといえば…
「あ、挨拶行かなきゃ。」
先程、両親がこれでもか、ってくらい送り付けてくれたお菓子をしまったばかりの棚を開けて、菓子折りを手に持って。
玄関を飛び出して、お隣さんの部屋へ。
お隣さん、どんな方なのだろう。
男の人??それとも、女の人??
…怖そうな人だったら、どうしよう。
確か名前は…
「…さとみ、さん?」
「…俺に、なんか用ですか??」
後ろから聞こえた声に耳をくい、と引っ張られる。
爽やかで心地よい声だ。
私が驚きで立ち止まってると、眉を下げて困ったような表情を浮かべた。
「…?」
「ぅ、あ、初めまして!!
703に新しく越してきた花崎です、よろしくお願いします。これ粗品ですけど、どうぞ 」
「あぁ、なるほど…初めまして、こんにちは。さとみです。わざわざすみません、ありがとうございます。」
人の良さそうな笑みを浮かべて、優しそうに笑いかけてくれるさとみさんを見て息が詰まった。
背は高く、スラリとした長い手足。
シンプルかつオシャレな服装。
優しそうで、暖かい雰囲気。
イ、イケメン…!!!!
どこからどう見てもイケメンである。
私がこうしてイケメンと会話出来ているのが本当に奇跡のよう。
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チョコ - めっちゃ好きです(( (2020年11月9日 1時) (レス) id: b8ba54da77 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - めっちゃおもしろいです!いい感じにシリアスだったり、ころちゃんの猿キャラだったり、キュンキュン要素だったり…最高です!!さとみくん推しで見に来たんですがこれはるぅとくんオチめっちゃ気になります…これからも期待してます!ありがとうございます!! (2020年3月15日 3時) (レス) id: 43039e50b7 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - ゆらさん» 返信遅くなりすみません!表現力が乏しいので分かってもらえるか心配していたので良かったです〜! ありがとうございます!励みになります (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 愛由さん» 遅くなりすみません!ゲーム上手い組のさとるぅと凄く好きなので贔屓してます笑 読んでくださりありがとうございます。 (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 名前も出されていないのにどのメンバーか分かってしまう私はもはや病気です。。。これからも頑張ってくださいね! (2020年1月2日 23時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑞乃 | 作成日時:2018年12月16日 23時