24日目。 ページ30
「美味しかったね〜!!」
「うんうん、Aちゃんも2人で行けてよかったよ。」
少しだけ私の顔を覗き込むようにして,そう言う春斗くん。
女の人に(所謂量産型)に絡まれて、数時間前まで顔を青白くさせてたなんて微塵も感じさせないほどニコニコと笑顔を浮かべている。
楽しそうな彼の様子を見て、ほっと胸を撫で下ろす。
多忙の彼の折角の休暇がストレスを感じる一日になっては元も子もない。
「…じゃあ、そろそろ家行きますか。」
「うん、おじゃまするね。」
2人で並んで歩きながら、我が家への帰路へ向かう。
ちゃっかり車道側を歩いてくれる彼は紳士だ。さとみくんと言い、春斗くんと言い…なんで私の周りにはこんなに素敵な方が多いのだろうか。
都会って凄い、なんて感動しながら隣の彼をちらりと見ればなんだか浮かない表情を浮かべていた。
「春斗くん、どうしたの?」
「…僕、Aちゃんに負ける気がしてきた。」
ぽつり、と呟く彼の一言を聞いて絶句する。
「え、保険かけるの。絶対それアレでしょ。
テスト勉強してない、絶対赤点だ〜とかテスト直前に言って、余裕で高得点取るやつ。」
個人的に学生あるあるだと思うんだ、これ。
他にも例を挙げるとするなら、持久走大会。
一緒に走ろうね、裏切らないでねとか言う人に限って颯爽と約束相手を置いていく。
約束破るならするなよ、なんてずっと思ってたり。
「あ、そういう子割と居るよね。」
…いやいや、貴方のことですけど。
いくら何でも天然過ぎないか?なんて口走りそうになったが,彼の純粋さを壊すわけにはいかず,無理矢理口を閉じた。
春斗くんと雑談をしていれると時間はあっという間で足取りが軽かったのもあるが、すぐに第二の我が家へと辿り着く事が出来た。
「春斗くん、着いたよ。」
「…え、Aちゃんこのアパートに住んでるの?」
「うん、そうだけど。どうかした?」
「…うーん、なんでもないよ。それよりさ…」
少しだけ話を濁した春斗くんを見て、この話題に触れてはいけないことを悟った。
誰にでも言いたくないことの1つや2つ存在する。言いたくないのならば、無理に深追いはせず、彼が助けを求めたその時に話でも聞いてあげよう。
私も秘密を抱えてるから、人に言いたくない気持ちは凄く分かったりする。
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チョコ - めっちゃ好きです(( (2020年11月9日 1時) (レス) id: b8ba54da77 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - めっちゃおもしろいです!いい感じにシリアスだったり、ころちゃんの猿キャラだったり、キュンキュン要素だったり…最高です!!さとみくん推しで見に来たんですがこれはるぅとくんオチめっちゃ気になります…これからも期待してます!ありがとうございます!! (2020年3月15日 3時) (レス) id: 43039e50b7 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - ゆらさん» 返信遅くなりすみません!表現力が乏しいので分かってもらえるか心配していたので良かったです〜! ありがとうございます!励みになります (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 愛由さん» 遅くなりすみません!ゲーム上手い組のさとるぅと凄く好きなので贔屓してます笑 読んでくださりありがとうございます。 (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 名前も出されていないのにどのメンバーか分かってしまう私はもはや病気です。。。これからも頑張ってくださいね! (2020年1月2日 23時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑞乃 | 作成日時:2018年12月16日 23時