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ころんくん×甘々(01) ページ5

「ねぇ、好きって言ってよ」



突然、視界に入ってきたのは、毎朝見る見慣れた顔と「何かを言われた」というなんとも言えない感覚。


「え、」


拍子抜けしてしまい、口から阿呆みたいな声が漏れる。



今、目の前の人が何を言っているか1回で理解できなかった。



そして、唐突過ぎる発言に冷静さ失い、自分が焦っているのがわかった。



数秒前までは世界史の田中先生って絶対カツラだよね、とかサッカー部の女子マネージャー可愛いよね、とか他愛ない話をしていたはずなのに。



「…ごめん、聞こえなかった。」


本当は聞こえていたけど、聞こえてないふりをした。否、認めてなくなかったのだ。



口から出たのは震える声。乾いたくちびるが夕方の優しい風に触れチクリとした小さな痛みが走る。



「だから、好きって言ってよ。」



幻聴だと思った。それでも、目の前にいるころんはいつになく顔が火照っている気もする。


流石に、気の所為だとは考えられなかった。
目を逸らしたくてもころんが、熱っぽい目で見つめてくるから逸らせなかった。



うるさくて生意気な幼馴染みのころんからは、到底想像もつかないその様子に私は再び息を飲んだ。ショートした思考回路を一生懸命働かせた私は、あるひとつの結論に辿り着いた。


きっと冗談なのだ。冗談を言って「なに信じたの?w 僕がお前の事なんて好きなわけないじゃん」


って、言うに決まっている。その姿を想像するのは容易い。なんてったって"あの"ころんだから。



それなのに。いつもと違う表情を見せる幼なじみに、動揺してしまって、つい口走ってしまった。


「…好きだよ」



やけに静かな2階廊下に私の声が響き渡る。



、、あれ?いま私なんて____




途端、思考を遮るように唇に温かい感触がした。熱を帯びたその唇は、私のものでは無い。



目の前には、彼の顔のドアップ。




なに、これ、??




「…A、林檎みたい」



紡がれた音が私の鼓膜を揺らす。



目の前でころんが肩を震わせて笑うのを見てか、それとも異常に紅潮した頬のせいか。




…キス、したことに気が付かされる。


「、、なんで、、?」



どうしようもない羞恥が身体を駆け回る中、
目の前の彼を見て"どうして"という感情が私の頭を支配する。


「…なんでだと思う?」


そっぽを向いた彼は私と一定の距離を置く。


質問に質問で投げ返すなんて、ころんにしては随分余裕が無いのだろうか。

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設定タグ:すとぷり , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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きなこ(プロフ) - なーくんが嫉妬する!みたいお話が見たいです! (2019年3月17日 18時) (レス) id: 32ff4e548a (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - らむねさん» 了解しました!リクエストありがとうございます。 (2019年3月17日 16時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
目玉焼き@今パンの上(プロフ) - コメント失礼します!夢主ちゃんにだけ見せる大人な顔(余裕そうな顔)×カッコイイるぅとくんで甘々お願いします (2019年3月8日 22時) (レス) id: 43927c5056 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 本当にありがとうございます!!さとみくんが先生なら理系だなって思ってたんですが、数学が合ってて設定から好きでした!!耳打ちはほんとずるいなって思いながらドキドキしました!本当にありがとうございました! (2019年3月8日 22時) (レス) id: 87b24c6783 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - そらさん» 了解です!リクエストありがとうございます! (2019年3月5日 21時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑞乃 | 作成日時:2019年3月5日 11時

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