君と一生分の恋をしました【青】

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よく挨拶をされる。
人見知りな私だけど…挨拶をされたらちゃんと笑顔で返せるように心がけている。


「あ、彩香〜ちゃんと笑えてた…？」


彩「ん？うん。めっちゃ可愛かった」


「か、可愛くはないと思うけど……」


ちゃんと笑顔になってたら良いか。


靴箱へ行きローファーから上靴へと履き替える。


ﾊﾟｻﾊﾟｻﾊﾟｻ((


数枚の紙が靴箱から落ちる。


彩「なになに〜？“放課後、体育館裏に来てください” “ずっと前から好きです。良かったら…付き合ってくれませんか？” っはぁ〜今日もモテモテですね」


「もう、勝手に見ないでよ〜」


彩「ごめんってば〜」


ほぼ毎日のように入ってるラブレター。


“好きです”


“付き合ってください”


……私のどこが良いんだろう？


「はぁ」


落ちたラブレターを拾いバッグへ入れ、
彩香と教室へ向かった。


彩香と同じクラスなの。言ってなかった気がする……ww


ｶﾞﾗｶﾞﾗ((


私は窓側の後ろから2番目の席。だから窓から外の景色を見ることが出来る。


今日も私は外の景色を見ていた。


ｷﾝｺﾝｶﾝｺﾝ((


先「……さ……とお……遠坂……遠坂！」


「はっ、はっ、はい！！」


先「HR始めるぞ」


「……へ？」


先生が指を指す方を見ると……


私の机の上にはスケッチブックが置いてあって、手にはシャーペンを持っていました。


あ……気づかないうちにまた絵描いてたんだ。


「ごめんなさい」


先「夢中になるのは良いが、し過ぎて周りが見えなくなるのはダメだぞ」


「……はい」


綺麗なもの。美しいもの。描きたいと思ったら無意識に描いてしまうのだ。そして、満足いくまで描き続ける。……いや、描き続けてしまう。


さっきは、窓から見える学校の景色を描いていた。もうすぐ梅雨明けで、太陽の光が綺麗に見える。


セミの声……もう夏か。


私の……最期の……夏……。

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