【d!】Jerry【短編集】

これなぁんだ？【zm】 ページ32

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※私が書いたとは思えないほどすぃーーーとです。
毒が一切ないです。


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暖かそうな、厚手のニットが、今ばかりはめくられ、その細くて白い腕を出していた。暗いところでは分からなかったが、ここのレストランの明かりではその爪のキラキラ加減がよく分かった。よく見たら目元もいつもよりキラキラして見える。これは、今日の気分がそうさせるのか、否か。もぐもぐと口いっぱい頬張る姿がいつも以上に可愛くて仕方ないのも、今日という、この街の気分のせいなんだ。


見られていることに気づいて、その瞳がこちらを向く。『ん？』と声を出して。いつもよりぱちっとした目元が、自分好みすぎて思わず口元が緩んだ。『何、何よ？』と恥ずかしそうに笑う姿から、彼女もきっと今日の空気でふわふわしているんだろう。手元斜め上にあるグラスには真っ赤なリップがついている。



｢美味い？｣



『めっちゃ美味い。食べる？』



｢欲しい。｣



流石に、あーん。なんてことはしない。そのまま白い器とフォークを渡される。



｢うま。｣



『うん、めっちゃ美味い。流石だな？』



｢せやろ。｣



いつもより少しぎこちない会話。会話になんて、集中できなかった。酒なのか頬紅なのか照れなのか知らないが、顔がほんのり紅いのがあまりにも可愛い。何一つ言葉にできなくなって、つい、足先を伸ばして、彼女の爪先をコンコンと2回ほどノックした。




『ん？何？』



｢...えっと。ハイ。｣




メリークリスマス！も、これどうぞ、も、プレゼントだ、とも言えない。そのまま白い紙袋を渡した。





『...！無言で渡すの...？』



そう言って彼女は、ふふふと笑い始めた。少しいつもの彼女が戻った瞬間、本当に愛おしくなってしまって。




｢可愛い。｣




『...いや、それはずるいでしょ...。』




真っ赤な彼女がしおれるように机に伏せても、それもまた可愛いんだ。






＿＿＿＿…





ハッピーメリークリスマスです。
こんな話書くなんてビックリですよね、私もビックリしてます。

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