Notre Dame【ut】 ページ1
〔彼の仕事。それは鐘を鳴らすこと。〕
_________…
物心ついたころから俺はここにいる。
塔の一番上、あの変わり者の聖職者以外、
誰も寄り付かないこの場所。
埃っぽい空気を描き分けて窓に腰掛ける。
チラリと部屋を振り返ると、
今朝あの聖職者に壊された自作の街の模型が目に映る。
''お前は一生、この塔の中で過ごすのだ、
それがお前の使命なのだ''
そんな言葉を思い浮かべ、不覚にも涙が浮かぶ。
情けない、こんな、こんな人生。
いや、人としても扱ってもらえないから、''人生''とも言えないかもしれない。
｢...せめて、｣
そうだ、せめて。
1度だけでもあの川に触れれたら。
そう思ったら、俺の足は自然と塔の壁を下っていた。
...
タン、と俺の足が地面に付く音がした。
初めて踏んだのは、残念ながら土ではなく石畳だったけれど、それでも俺にとっては大きな感動だったんだ。
｢...っ、はぁ...！街だ...！人だ...！｣
街の人はそんな俺を訝しげに見ていたけど、何も怖くなんてなかった。
広場のステージではジプシーの踊り子が色鮮やかな衣装を揺らして踊っている。
綺麗、美しい。そんな言葉がぴったりで。
彼女に見とれていると、その側にいた体格のいい男に腕を掴まれた。
｢誰かと思えば、あの塔の上の醜い鐘撞きか！おい、いい見せ物が入ったぞ！｣
汚い笑い声を上げる男の力に、ひょろっこい俺は抵抗なんてできなくて。
周りの観衆も物珍しさと好奇心に塗れた目で見ている。
やめろ、やめて、やめてください、ごめんなさい。
そんな言葉も出なくて。
『その人に何してるの！』
そんな時に、ジプシーの彼女の凛とした声が、俺を掴んでいた男の手を止めた。
その隙を見て振りほどき、路地裏へ逃げ込む。
後ろで彼女に怒鳴りつける男の声が聞こえた。
あぁ、ごめんなさい、名前も知らない人。
→next
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ちぃ汰。(プロフ) - ミーさん» コメントありがとうございます！ ニヤニヤして頂けて嬉しい限りです笑 見返してみましたが中々乱雑かつ支離滅裂文章でお恥ずかしい限りです汗 現在活動はほぼ行っておりませんが、その言葉は嬉しいです、ありがとうございます！ (2018年2月24日 12時) (
レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 素敵なお話ばかりで、ニヤニヤしながら読んでしまいました(笑)特にグルさん短編の裏切り者でもが好きです！これからも頑張って下さい(^-^) (2018年2月23日 17時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - reiponnさん» ほんとありがとうね！ (2017年12月13日 18時) (レス) id: 64d3b538d3 (このIDを非表示/違反報告)
reiponn(プロフ) - ちぃ汰。さん» 私も好き！！ちぃちゃんが元気になってくれてよかったー！いえいえ！私こそ毎日…じゃないけどちぃちゃんと話しててとっても楽しいよ！ありがとう (2017年12月13日 17時) (レス) id: 61a6d8b17c (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - reiponnさん» もう優しいかよ、まじ好き。真面目にすき。その言葉でホント元気でる！頑張るよ、ありがとう！！ (2017年12月12日 22時) (レス) id: 64d3b538d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃ汰。 | 作成日時：2017年9月14日 21時
