○*+君色+*○【K.Ninomiya】 (ページ4)

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＊3 新しい患者さんページ4

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●「Aちゃん、どう？」

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私は担当医の神野先生がいる診察室でカウンセリングを受けていた。

「…はい。いつもと変わりません」

私は決まって同じ答えを繰り返す。

この台詞、…これで何回目だろう。

●「…そっか。じゃあ症状は？新しい症状が出てきた？」

神野先生はカルテを見ながら、私に尋ねる。

「特に…」

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私はそう言おうとしたら、神野先生は

●「…Aちゃん、隠さないでね？いつも言ってるけど、正直に言わないとダメだよ。

僕は君のために出来ることを精一杯やりたいんだ」

と、私の顔を真剣に見つめながら言う。

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…そんなこと、言われなくても分かってる。

今の私がいるのは、神野先生のおかげだもの。

私はグッと唾を呑み込み、…隠そうとしていたことを先生に伝える。

「…最近、息苦しいんです」

●「…息苦しい？」

「はい、…上手く呼吸が出来なくて。喉にもあまり物が入らないんです、…」

●「、なるほど。気管炎症か…」

神野先生は私の返答に少し暗い顔して、カルテに書き加えた。

整った先生の横顔が、私を掴む。

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●「教えてくれてありがとう。また何かあったらいつでも来てくれて良いからね」

「はい。…ありがとうございました」

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先生のいる診察室を後にして、自室へ戻ろうとした時。

「…、あれ？あの部屋…」

帰り道に私はふとある部屋に気付いた。

その部屋は私の病室よりやけに大きく、心なしか少し綺麗に見えて。

○「ああ、あの部屋は少し特別な人が入院する時に使うの。確か今、誰かが入院してるみたいだけど…」

一緒に歩いていた看護士さんが言う。

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特別な人……か。

一体、どんな人かな。

少し、会ってみたいなと思いながら、その部屋の前を通り過ぎた。

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…私はまだ知らなかった。

これからあの病室で、何が起こるのか。

…あなたと、どんな出逢いが待っていたのか。

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