【カレとカノジョ】 (ページ20)

今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:32,952 hit

○20 ページ20

『ごめんねっ・・・何かいきなり泣いちゃって』

「ううん、落ち着いた？」

『うん。ダメだね〜お酒は・・・禁酒しなきゃ(笑)』

「気にしてないから大丈夫(笑)」

『ほんと、、ごめん！』

と、泣き止んだ彼女は何回も俺に謝った。

泣いた理由が気になったけど聞けるわけもなく
「体育祭で山森と泣いてたAを思い出したわ」
とか言って話題を変える事しか出来なかった。

逃げ癖と言うか、、、こういうとこマジで変わってない。

歳を重ねれば重ねるほど
自分の気持ちに正直になる事がこんな難しいとは。

『もうこんな時間っ』

「あっ、、うん」

『明日も早いんでしょ？』

「まあ・・」

『じゃあ、、そろそろ帰ろっか』

「そうだな」

『タクシー？』

「あっ俺呼ぶわ。途中まで一緒に帰るでしょ？」

『ありがとう・・・ちょっと私お手洗い行ってくるね』

「んっ」

席を立ちお手洗いに向かった彼女。
静まり返る空間にため息が出る。

どうすりゃいいんだ。

てか、どうしたいんだよ。

冷静になれ。

今の俺は正気じゃない。

まともな考えが一つも浮かびやしねぇ。

何を言っても

何をしても

あの頃に戻れないのに

"優吾"

頭から離れないの。

どうしたらいいんだよ、マジで。

『どうしたの・・・頭なんか抱えて』

「あー・・・ごめん、、酔った」

『えぇ、、大丈夫？』

「大丈夫大丈夫」

『お酒弱いんだね・・・まあ人のこと言えないけど(笑)』

「Aよりマシだよ」

『それより本当に大丈夫？』

「大丈夫だって」

『タクシー呼んだ？』

「あー・・・忘れてた」

『大丈夫じゃないじゃんっ』

「ごめん」

『ちょ、、ほんとに大丈夫？帰れる？』

「・・・・」

大丈夫じゃないって言ったら

どうしてくれる？

って、言えたらどんなに楽なんだろう。