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蘭くんの家から出たのは次の日の夕方だった。



お昼は出前を頼んで二人で食べた。



竜胆くんが帰ってくると言うので流石に顔を合わせるのは、と思い灰谷家を出ることにした。



約束通りたっぷりと甘やかされ至福なひと時を過ごした。



縛られたくないけど愛されたい



愛したいけど愛せない






遠くでバイクの音が聞こえた。



いくつもの音の中に懐かしい音が混ざっていた。



みんなが避けていくなかバイクの団体に顔を向けた。



「万次郎?」



黒い集団の先頭を走るバイクが気づいて止まった。



「A?」



「Aお姉ちゃんでしょ?」



「こんなとこで一人で何してんの?」



「遊んで帰るとこ」



「ケンチンA送って……あー、三ツ谷」



万次郎は言葉を途中でとぎって一人の男の子を呼んだ。



「コイツ送ってやって」



「まあ、いいけど。マイキーが送らねぇの?」



「ん。バブには乗せねぇ」



「え?万次郎いいよ。あと電車乗ってすぐだし」



慌てて拒否すると鋭く睨まれた。



いつの間にこんな顔をするようになったのか。



知らずうちの成長していてに少し寂しく思う。



「インパルスか…。よろしくお願いします」



「ん。いいっすよ」



不良の見た目とは違い人当たりの良い彼は好感触だ。



「可愛い中学生?」



「中3マイキーのタメっす」



万次郎達が去った後にインパルスの後ろに乗せてもらった。



「中学生は射程範囲外なんだよなぁ」



「は?」



「こっちの話」



中学生には手を出さない。



それは私の中で決定していた。



「マイキーとどんな繋がりなんすか?」



「可愛い弟みたいな感じかな」



「三ツ谷くんも東京卍會だっけ?族に入ってるんだね」



「まあ」



「……羽宮……くんって今は?」



「一虎?」



三ツ谷くんの肩を掴む手に力が入った。



「……先月の末にデカい抗争があって……それで今は塀の中っす」



塀の中という事は何かした事を物語る。



「そっか」



「でも今度こそ更生するって」



「……だといいな」



家まで送って貰うとお礼にと家の側の自販機でコーヒーを買って手渡した。



遠慮していたが「お姉さんからの奢り」と伝えて無理矢理押し付けた。



家に入り、ベッドにダイブした。



煩く鳴る携帯の電源を画面を見ずに電源を落とした。



今は何も考えたくなかった。

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月華(プロフ) - 寧珠*さん» そんな初期から見てくれてたんですね!ありがたいです。こんな過疎地でねじゅちゃんの目に止まるなんて頑張って良かった!笑 (2022年9月30日 23時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 月華さん» 実は最初から読んでて、お気に入り登録も2人目とかだったような…ねじゅが月華さまの作品を読まないわけには参りません…! (2022年9月30日 19時) (レス) id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 寧珠*さん» コメントありがとうございます!!ねじゅちゃんに読まれてたのにはびっくりだけど気に入って貰えたなら良かった〜!続きもノープランだけど頑張ります!! (2022年9月30日 19時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 意味があるのかは不明ですが、読む度に評価いれるくらい好きです♡続きが楽しみだ…! (2022年9月30日 11時) (レス) @page42 id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 咲良さん» わーい!コメントありがとうございます!無理くりイザナと絡めちゃった!ここからヤンデレ始まるか!?全くのノープランです! (2022年9月15日 8時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華 | 作成日時:2022年8月19日 11時

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