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『流石に高校生はなぁ』
『じゃあ早く大人になるから』
『急がなくていいよ。待っててやるから』
『約束ね』
明け方見る夢はいつも悲しくて目覚めと共に雫が溢れる。
「……6時?」
時計を見ると6時前だった。
珍しく早くから学校に行こうと布団から出た。
これ以上布団にいたくないって思いもあった。
電源が落とされたままの携帯を立ち上げると複数の着信とメールが入っていた。
「やっぱりバカ獅音か」
予想はしていたが予想通り過ぎて溜息を吐いた。
メールを開くと昨日の東卍の男は誰だってメールだった。
隣に住んでるとバイク音でバレるので嫌になる。
親切な中学生が送ってくれたとだけ送って携帯を閉じた。
後数ヶ月しか着ない制服に袖を通した。
学校は好きじゃない。
貼り付けた笑顔で中身の無い話で盛り上がっているフリをする。
こういう時自分が男だったらと思ってしまう。
担任から進路について聞かれる事ももう無くなった。
この時期に決まってないヤツはほとんどいない。
私の未来はどこに行くんだろう。
携帯が鳴って見ると知り合いのガールズバーのオーナーからバイトの助っ人の依頼だった。
夜は暇だったんので行きますと連絡した。
今日のお客さんはしつこい人が多かった。
連絡先を教えてくれだとか隣に座ってくれだとか。
それならキャバクラにでも行けばいいのにと内心悪態をついたが、笑顔で交わした。
一応高校生なので22時になったら上がらせてもらった。
いつもより疲れたなと思いながら駅へと向かった。
「ねぇ?」
いきなり腕を掴まれて振り返ると先ほどしつこく連絡先を聞いてきた男がいた。
「待っててよかった。この後どっか飲みに行こうよ」
「すみません。未成年なんで」
そう言っても全く腕を離そうとしない男に苛立ちを覚えた。
「あんな店で働いてんだからそういう事だろ?」
不良以外を相手に揉め事を起こす気はないのだが仕方ないと睨みつけ、構えたとこで別方向から肩を引かれた。
「ナニしてんの?」
男を引き離し胸は抱かれた。
「ワカくん?」
鋭い目付きで男を睨むと流石にワカくんに怯えて逃げていった。
「オマエ、ナニしてんの?」
いつもの優しい雰囲気とは違うワカくんに俯いた。
「はぁ。送って帰るワ」
無言のワカくんに腕を引かれて歩いた。
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月華(プロフ) - 寧珠*さん» そんな初期から見てくれてたんですね!ありがたいです。こんな過疎地でねじゅちゃんの目に止まるなんて頑張って良かった!笑 (2022年9月30日 23時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 月華さん» 実は最初から読んでて、お気に入り登録も2人目とかだったような…ねじゅが月華さまの作品を読まないわけには参りません…! (2022年9月30日 19時) (レス) id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 寧珠*さん» コメントありがとうございます!!ねじゅちゃんに読まれてたのにはびっくりだけど気に入って貰えたなら良かった〜!続きもノープランだけど頑張ります!! (2022年9月30日 19時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 意味があるのかは不明ですが、読む度に評価いれるくらい好きです♡続きが楽しみだ…! (2022年9月30日 11時) (レス) @page42 id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 咲良さん» わーい!コメントありがとうございます!無理くりイザナと絡めちゃった!ここからヤンデレ始まるか!?全くのノープランです! (2022年9月15日 8時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月華 | 作成日時:2022年8月19日 11時