28歳［２］ ページ26
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「お疲れ」
会社を出ると竜胆の車が停まっていた。
「竜胆もお疲れ様」
車に乗り込みよく行くスーパーへと向かう。
「今日何食べたい？」
「んー。Aの作るカレー」
「いいよ」
手を繋いで食材を買い込んだ。
家に着くと一緒に野菜の皮を剥いたり切ったりと手際よく進んでいく。
何度も作ったカレーは多分竜胆も作り方を覚えてて作れるはずなのに私のカレーを求める。
「今度は唐揚げ食いたい」
「お肉漬け込まなきゃだから休みの日ね」
「ん」
「私は竜胆の作るアクアパッツァが食べたいな」
「良い鯛仕入れとく」
「そういえば来月竜胆の誕生日だよね？なんかほしいのある？」
「んー？Aって言ったらくれるの？」
「ん？私？もう竜胆のものじゃん？」
「Aの苗字を灰谷にする権利」
「それプロポーズ？」
「あー、そうだけど」
頭を掻きながら口を尖らせる竜胆に笑みが漏れる。
「いいよ」
「え！？本当？」
びっくりした顔で見てきた。
「こんな生活なら一生続いてほしいなって思ったから」
「絶対幸せにする！！」
「来年あたり仕事調整するから妊活頑張ってみる？」
顔を真っ赤にして頭を上下に振る竜胆に笑ってしまった。
「でも子供出来たら竜胆にも迷惑かけるかも」
「保育園の送り迎えもするし一緒に育てる！」
「手伝うって言われたらどうしようかと思った」
手伝うは他人の仕事を助ける事。
妊娠出産は女の仕事だけど子育ては当事者でいて欲しかった。
「反社って産休取れんのかな？」
携帯で誰かにメールをし始める竜胆にまだ妊娠もしてないのに気が早いなと笑ってしまった。
「一緒に幸せになろうね！」
「Aがそばにいてくれたら俺はそれだけで幸せだから全力でAを幸せにするな！」
10年前に声をかけた時はこんなことになるとは思いもしなかった。
あの頃は竜胆が私の後ろ姿を見つめてくれていて、再会してからは私が竜胆の後ろ姿を見つめていた。
いつしか別々の方向を見るようになった。
そして今は隣に居るお互いを見るようになれたのだった。
〜fin〜
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月華(プロフ) - チヅさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたなら良かったです！他のお話で気に入って貰えるのがあると良いんですが。 (2022年9月13日 7時) (
レス) @page28 id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
チヅ(プロフ) - メチャメチャ楽しかったな〜(^^)他のお話も読んでみようと思います(^^) (2022年9月13日 1時) (レス) id: eeaef92f1e (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - ふらんそわ。さん» コメントありがとうございます。竜胆は子供と肩車似合いそうだなって勝手に妄想しました😁 (2022年4月4日 8時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんそわ。 - 私も竜胆に肩車してほしーなー…😏 (2022年4月4日 1時) (レス) id: ce685a0196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華 | 作成日時：2022年3月11日 0時
