妖術…？ ページ35
星を描くアキノリ。
その描いた星は何故か線が見えている。それを掴んだアキノリは、青白い手に投げつける。
理解が追いつかない。
何だ、あれは。見たことがない。
まぁ、この世界に来て少ししか経っていないので当たり前といえば当たり前なのかもしれないが。
アヤメ「アキノリくん、凄い！」
アキノリ「これくらいどうってこと…」
だなんてアキノリは言っているが正直、私は凄いと思う。
どういえばいいかはわからないが。
すぐその後、また青白い手が出てくる。
アキノリに襲い掛かってくる手。アキノリは捕まってしまう。
そして、今度は他の手がアヤメに襲い掛かる。
とっさにしたのだろう、星を描くアヤメ。その星は先ほどのアキノリと同じようになって、それをアヤメは投げ飛ばす。
リツキ「……凄い！“妖術”使いが二人もいるなんて！」
私にはリツキさんの呟きがはっきりと聞こえた。
“妖術”。それが何を意味しているのか私にはわからない。
しかし、目を丸くしながらリツキさんを見るナツメ、ケースケ、そしてトウマ。
その表情からは、きっと“妖術”というワードが何か特別な言葉であるということを私は理解できる。
ナツメ「えっと…。アヤメちゃんが妖術を使って…」
トウマ「リツキさんは妖術を知っている…？」
理解が追いついていないナツメたち。
私は理解することすらできない。
そもそも、“妖術”が何なのかがわかっていないのだから仕方が無いのかもしれないが。
ピカっち「大丈夫か？A」
可笑しな顔でもしていたのだろうか。
気にかけてくれるピカっち。
『ううん、平気』
私は少し笑顔を見せながらそう返事をした。
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