腐れ縁というやつだろう。 ページ26
ピカっちside
＿＿
我と、ベベ。いや、スティはいわゆる“腐れ縁”と呼ばれるやつのようだ。
「まさか、お前がやってくるとはな…。」
「お互い様だと思うけど？」
相変わらず、スティは変わっていないようだ。
本音をいうとそういうところ、今はあまり好きじゃない。
「はぁ…。お前とまた会うなんて思ってもいなくてよ…。」
「僕もそんなこと思ってなかったよ。」
やはり、気に食わない。
「それより、ヒカリナ。大分変わったね。」
あぁ、面倒くさい。べべのそういうところが嫌いなんだ。
「あぁ…。我と全然会ってなかったから、お前が忘れただけだろう？」
「僕、記憶力はいいよ？」
はぁ…。曖昧にはできない…か。
「あぁ…！確かに我は変わったよ。それがどうした？」
「別に？変わったなってね。」
どうやら、それだけのことらしい。全く、我の気に触ることを言って…。
それで喧嘩になって、Aが目を覚ましたらどうする…。
「そなたこそ、何故スティと名乗らなかった？」
「偽名使ったほうがカッコよくない？」
真面目に聞いたのに、そんなカッコいいとかテキトーな返事で全くこっちは疲れる…。
「本当は？」
そう聞いても、「いや本当に、カッコいいと思ったから何だって！」としか言わない。
本当に何なんだ…。
「まあよい。」
本当のことを話そうとしない。こうなれば話を変えるほかない。
「ところで昨日のあれは何だ？」
「あれって？」
全く物わかりが悪い。
「だから、オーブだ。何故持っていた？」
「いやー。何か見つけちゃってさ」
もう、本当にこういうのは苦手だ。
「もういい」
呆れてどうしようもない。
「じゃあさ、今度は僕から一つ」
スティはそう言った。
できれば、気に触るものは辞めていただきたい。
…だが、そんな願いが叶うわけもなく。
「ヒカリナさ。昔みたいに戻ったほうがいいと思うよ？」
気に触ることを言ってくるスティ。
「何故そう思う？」
怒りを抑え冷静に対応するも、「自分の心と相談してみなよ？」とさらに怒りを掻き立ててくる。
全く、何なのだ…？
「考えておこう。さて、寝るぞ」
そう言うとおとなしくベッドに入るスティ。まあ、当たり前だ。昨日は遅かったのだから。
そして、我もベッドに入る。
こんなベッドがたくさんある家。何故、氷帝。いや、ヒョウはこの家を所有していたのだろう。
疑問だ。
考えていたまま我は寝てしまった。
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