時が経ち、記憶を失おうとも･･･《３》～新たな光～ (ページ18)

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憑依！？ピカっち！！ページ18

カードを投げつける蜘蛛妖怪。そのカードはこちらの味方であろう白色の妖怪の額に刺さった。そのカードを見て、読む妖怪。

「えぇっと…。妖怪、窯ドウ魔！？」

妖怪が全て読み上げると、「お見知りおきをぉぉっっ！！」と大声を上げ蜘蛛妖怪がこちらに襲い掛かってきた。

その妖怪からは蒸気が噴出していて、当たれば私などひとたまりもないだろう。その妖怪がこちらに襲い掛かってきているのだ。怖い以外の何物でもない。

怖さのあまり動けない私。その私の右手を持ち走り避けようとするトウマ。

そのとき、私は右手に持っていたピカっちのスカーフを手から離してしまった。

…すると、どうだろう。
スカーフは浮き、私の時計のもとまで飛んできた。そして、時計の中央部分にある窪みに乗っかると、時計は光を放った。

『えっ…！？』

驚きのあまり声をあげたと同時に私は光に包まれた。

光に包まれたと思うと、すぐその光は収まる。いつもより少し身体が軽い。

そして目の前には先ほどより格段に大きい蜘蛛妖怪。

？[おい、大丈夫か！？]

そんな声が私の脳に響く。ピカっちの声だ。私は周りを見回す。しかし、ピカっちはいない。

『え…』

声を上げる私。まさかさっきの声は幻聴なのか。

ピカっち[A、お前が今我の姿になっている]

また脳の中でピカっちの声が響く。私はその言葉に驚き、自分の身体を見る。ピカっちの言葉通り、私の身体ががピカチュウいや、ピカっちになっていた。

そんな驚きもつかの間、目の前に蜘蛛妖怪。
大きな足で襲い掛かってきたがいつもより身体が軽いため避けられた。

[ピカっち、これどうなってるの！？]

心の中でピカっちに尋ねる。多分、推測だが強く心の中で言葉を発せばピカっちに届く。

ピカっち[我にもわからぬ]

本当にどうすればいいのだろうか…。