【stgr】短き記憶に溢れる想い【短編】

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急いで家に向かっても、彼女の姿はなく、残されたのは俺の置いていた荷物と一通の手紙。


≪ドリちゃん、急にいなくなってごめんなさい。今日のお昼貴方と、金髪の女性が抱きしめあってキスをしてるところを見てしまいました。


本人ではないと思いたかったけれど、その後警察署に行く予定があったので行ってみたらあなたの姿はありませんでした。


きっとあれは貴方だったのでしょう。思い返してみたら貴方からの好きだという言葉は1度も聞いたことがありませんでした。


私が貴方を縛って、無理させてしまっていたのだと思います。優しい貴方だから私を傷つけたくなかったのでしょう。


ドリちゃんに「無理はしないで」といいすぎて、逆にその言葉が重荷になっていたのかもしれません。


気付いた時にはもう遅くて、その言葉だけがドリちゃんを縛り付けていたのかもしれません。ごめんなさい。


私と貴方は相思相愛だと思っていました。けどそうではなかった。それに気付いたので、私はこの町から離れます。最後まで自分勝手でごめんね


これでドリちゃんは自由になれます。ごめんねドリちゃん、大好きでした。


嘘だとしても貴方と恋人でいた時間が私にとってかけがえのない幸せな時間でした。ありがとう。さよなら A≫


優しく丁寧に書かれた字で所々、震えていて涙で滲んでいるもある。


傷つけすぎたな。もうおしまいか。彼女は最後まで優しい人間だった。


過去に1番になりたいといわれた時も、深くは問い詰めてこなかった。彼女の優しさだろう。


そんな彼女の優しさに甘えすぎていたのかもしれないな。


嫌いになったわけじゃない 好きなのに って言い聞かせてた。


自分勝手でごめんね。嫌いになったわけじゃないって思いたかったよ。


ごめんね。 バイバイ


いなくなった後に気付きたくなかったな。


初めての彼女で初めての恋だった。


最初はこの感情がわからなくて、好きとは違うものだと思ってた。


人を好きになるってこんなにも苦しくて切ないものなんだな。


教えてくれてありがとう。



俺やっと君を好きになれたみたいだ。いなくなった後に別れた後に気付いてしまってごめんね



もっと早くこの気持ちを君に伝えるべきだった。


誰も知らない優しい恋をたしかに愛したのは僕ら二人だけ。


＜完＞

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