47話 ページ48
me side
『エーミールを……どう思ってるか…ですか？』
いきなり突拍子もないことを聞かれて言葉が詰まる。
『……いつも私を気遣ってくれて、孤児の私を育ててくれた。とても感謝しています。』
ci「そうやなくて、好きかどうかってことですよ。likeではなく、loveって意味で」
『………何故それを私に？』
ci「あれ？ご自分でも気づいてないんですか？」
その言葉を言われて、私は今までの事を振り返る。この二ヶ月間、エーミールに笑顔を見せられたり、手を繋がれるとやたらと顔が熱くなる。胸が苦しくなる。
『……まだ、わからないです。この感情が』
ci「そか。でも答えはそろそろ出そうやね」
『チーノさんは……私のこの気持ちが分かるっていうんですか』
ci「Aさんの様子をいつも見てるんですよ？そりゃ勘づくことだって容易いですよ」
『でも教えてくれないんですね』
ci「だって教えたらつまらないでしょ？それに…Aさんに気づいてもらいたいんですよ。今日のドレスだって…」
チーノさんは私のドレスのことを言おうとしたが、口を滑らせるところだったと言って、その先の話をやめてしまった。
『自分で……気付く……』
ci「にしてもあの人もあの人でなかなか奥手やな。さっさと言っちゃえばいいのに」
チーノさんが小声で何か呟く。私には聞こえないが、目線の先には他の女性と踊っているエーミールの姿。…………まるで蝶々が周りにふわふわと飛んでいるようで、まるで次の日には消えてしまいそうな儚さで、それに目が奪われてしまう。
…あぁ。エーミールと踊っている女性が羨ましい。
もしもそこに私がいたのなら、どんなに幸せだろう。ずっとエーミールの微笑んでいる笑顔が見たい。ずっと私の傍にいて、頭を撫でて欲しい。
『これは………未熟な私の我儘でしょうか』
─────────────誰か、この気持ちを教えて
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作者名：律 | 作成日時：2022年1月6日 17時
