【wrwrd】あなたへの恩返し【em】 (ページ29)

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28話ページ29

me side

城へ向かおうと歩いていると、ショッピさんが何かを思い出したのかあっと声を漏らす。

『どうかしました？何か忘れ物でも？』

shp「そうですね……疲れてるところすいません。Aさんはここで少し待っといてください。」

そう言ってショッピさんは持ってくれていた紙袋を私へ預けてどこかへ行ってしまった。

『……ショッピさん忘れ物するんだ』

いや、そんなことよりも……本当に私疲れてるんだな。ショッピさんの差し出された手にドキドキしたり、目が合っただけで顔が赤くなったり。もしかして明日は熱でも出るのだろうか。熱を出して寝込んだりなんて出来ない。

『今日はもう早く寝よう』

shp「すいません。お待たせしました。これプレゼントっす」

背後からショッピさんが走ってきて、紙袋と交換して私に小さな箱を手渡す。

『なんですかこれ』

shp「まぁ開けてみてください」

ショッピさんの言う通り箱の蓋を開ける。箱の中には数個の紫色の蝶々のヘアクリップが入っていた。蝶々には色んな宝石が散りばめられている。

『え……素敵…これパーティに絶対つけていきます！』

shp「その為に買ってきました。髪に何もつけないのは勿体ないなと思ったんで。気に入ってくれたら何よりです」

ショッピさんが嬉しそうに微笑む。良かったこの人ちゃんと表情筋あったみたいで安心したよ。ずっと眠そうな顔しかしてないんだもん。

『やっぱりショッピさん本当にセンス良いんですね…こんなの気に入らない人なんていませんよ！』

shp「…Aさんってお世辞上手ですよね」

『お世辞じゃないです。本心です。』

shp「ははっ。嬉しいっす」

照れくさそうに笑いながら私の頭を撫でる。その仕草に私はまたドキドキしてしまう。

『…あははっ…さて、今度こそ帰りましょうか。急ぎ足で帰らないとモンペ2人に怒られてしまいそうですし。』

shp「それもそうですね。遅れたら俺とAさん、何時間説教されるか…」

その様子を2人で想像しながら「怖ーっ！」と口を揃えて言って笑い合いながら足早に城へ向かった。