ブラコン妹×シスコン兄【食戟のソーマ】 (ページ41)

今日:7 hit、昨日:12 hit、合計:122,819 hit

第40話【他とは違う彼女2】えりなside ページ41

スポンジを作り終えた私は彼女に話しかけた

えりな「スポンジ、出来ましたわ」

貴女「ありがとう」

彼女はスポンジを受け取り、デコレーションに取りかかった

彼女が何をしたいのか分からない

下手なことをすると邪魔してしまうかもしれない

そう思った私は何もせず、ただ黙って彼女を見ていた

最初はスポンジの間にチョコレートのホイップクリームを塗り、チョコレートでコーティングされたイチゴをホイップクリームが見えなくなるくらい置く

置き終わったら、そのイチゴの上にチョコレートのホイップクリームを塗った

次に、彼女はずっと作っていたもの……………チョコレートの花びらをスポンジの上に一枚一枚丁寧に飾り始めた

スポンジの真ん中に大きいバラを1輪、スポンジの端に小さなバラを12輪咲かせた

飾り終えたら、溶けたチョコレートをスポンジの上から流した

彼女が調理するとキラキラと輝くチョコレートに目を奪われた

貴女「出来た」

結果はA判定だった

でも、そんなことはどうでも良かった

私は彼女の考えを知りたかった

どうしてチョコレートケーキを作ったのか、そう聞くと彼女は笑って答えた

貴女「あの先生は日頃から頭を使っていて糖分を欲していたから。そして、兄様のためにチョコレートケーキを作りたいと思ったからよ、兄様も頭を使うから糖分を欲しているんですの」

彼女には協調性はない

しかし、誰かを気遣うことは得意

そんな彼女に私は興味を持った

その日以来から、私は彼女について調べ始めた

授業で作った料理、食戟で作った料理、そのときの審査員の体調

調べれるものは全て調べた

えりな「凄い」

彼女は審査員を気遣って料理をしていた

しかも、審査員に話しかけもせずに、その審査員の体調に合った料理をしていた

彼女は「悪魔」「心のない人間」など悪く言われるがそれは間違い

だって、彼女はこんなにも “ 優しい ” のだから

こんなにも “ 優しい彼女 ” に近づきたいと思った私は勇気を出して話しかけた

えりな「お久し振りね、貴女と会うのはいつぶりかしら」