197.真相 ページ47
*
「階段から落ちたのは……落とされたんだと思う。背中押された気がする」
「は？押された？誰に」
「見てなくて分かんないけど……多分先輩。目障りだと思われてたの知ってるから。蹴られたり足踏まれたり、転ばされたり……してて。ごめんなさい。これも嘘、ついてた。心配かけたくなくて」
一緒にお風呂に入った時に見た青あざは
Aが物をぶつけたり落としたりして
できたものなんかじゃなくて、
わざと怪我をさせられていたものだった。
「自分の、職場での問題だし、自分で解決したかったんだけど……結果的に色んな人に迷惑かけちゃって」
「智哉さんには言った？」
「言ってない。記憶が戻ってること、今初めて玲於くんに話した。お兄ちゃんには言いたくない……でも玲於くんに言った時点でもう……ね」
「……ちゃんと話した方がいいと思う」
「うん、ちゃんとする」
聞くと異動でやってきた
女の先輩から嫌がらせを受けていて
同じ職場の人にもこのことは話していないそう。
「にしてもなんでA？また脇山あずきみたいなやつ？」
「元々お兄ちゃんのファンの人で……会わせてくれって言われて断ったのが悪かったんだと思う」
「……ますます智哉さんに遠くなってんの分かんないのかね、そいつも」
「ふふ、確かにそうだね」
「智哉さんAのこと大事にしてんだから、Aを攻撃するのはどう考えても逆効果なのに」
智哉さんにはこのことを特に
知られたくなかったというAの気持ちも分かる。
少なからず自分が絡んでると知ったら
気が気じゃないだろうし、智哉さんも責任を感じそう。
「とりあえず……こわいけど、お兄ちゃんには全部話す。今後どうするか職場にも顔出さないといけないし……ただただ階段から落ちて怪我して休んでることになってるから」
「ん、えらい。できることないかもしんないけど、なんかあったら言って」
「ありがとう。玲於くん、時間大丈夫？帰らなくていいの？」
「まだいたら迷惑？」
「ふふ、ううん。一緒にいてほしい」
久々に抱き合って、吸い寄せられるようにキスをして
やっぱりAがいないなんて
もう考えられないなって強く思う。
Aを階段から突き落としたやつは許せないけど
なにより無事でいてくれて本当によかった。
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はな*(プロフ) - Miiiiさん» お話読んでいただいてありがとうございます！今後もそういったネタ挟んでいけたらな…と思っております。引き続きお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年11月16日 0時) (
レス) id: 27dc132a0b (このIDを非表示/違反報告)
Miiii(プロフ) - 一気に読みました！面白かったです！キスの予約の所ニヤケ転げました。他にも語りたいけどネタバレになるので黙ります。 (2020年11月14日 12時) (レス) id: 35755ecf0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ge_hana_/
作成日時：2020年11月12日 18時
