彼女からキスを盗む方法 Ⅲ【Reo】 (ページ28)

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128.突然ページ28

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「年末年始は2日だけ実家行くけどあとは家にいるよ」
なんて聞いていたので年明け、
少しでも会えないかと思ってAの家に向かった。

電話はしてたけどちゃんと会うのは1ヶ月振りくらいで
とても楽しみだった。

「え……玲於くんなんで……？」

「なんでって……会いに来た」

Aはとても驚いていて
基本的にいつも行くときは大体連絡してたし
まさか来るとは思ってなかったんだろう。

「……泊まってくの？」

「いや、今日は帰る」

「そっか」

「……A、なんかあった？」

久しぶりに会った割に
いつもみたいに飛びついてこないし
あまり笑わなくて、少しおかしいと感じた。

「せっかく来てくれたのにごめん、玲於くんに話があるの」

「なに、どうした？」

「もう玲於くんとはお付き合いできない」

お付き合いできない？

「は、……何言ってんの……またなんか問題でもあった？」

「わたしの気持ちの問題だから……ごめんなさい」

「ちょっと待って、急にそんな……納得できるわけないだろ」

「ごめんなさい、ほんとに」

「俺のこと好きじゃなくなったの？」

「……ごめん」

会わなかった間に何があったのか。
数日前電話した時はそんな素振りなかったのに。

「なんかあんでしょ？誰かに何か言われた？」

「ううん、わたしが悪いの。勝手にごめんなさい」

「ホントだよ……」

淡々と話すので嘘じゃないんだってそう思った。
いつものAなら泣くところなのに。

「何がダメだった？嫌なとこあるなら直すし」

「ごめん、わたしのこと悪く言ってくれていいから、別れてください。お願いします」

「……わかったよ」

頭まで下げられて、わかったとしか言えなかった。
もちろん納得したわけじゃなかったけど。

近いうちに荷物取りに来るわ、なんて
言い捨てて出てきた。

どうせ何言っても「ごめん」しか言わないだろうし
急すぎて信じられない。
でもどこかいつもと違った。

あんなに俺のこと好き好きって言ってたのに
この数日で何があった？

落ち込んでたら亜嵐くんに心配されて

「急にそんなこと言うなんてAちゃんもなんか考えがあるんじゃないの？もう一度ちゃんと話してみたら？」

そう言われて思い直したのに、
数日後、久々に来た志希さんからの連絡で
色々と思い知ることになる。

*