彼女からキスを盗む方法 Ⅲ【Reo】 (ページ29)

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129.疑惑ページ29

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志希さんから不在着信があって
電話かけてくるなんて
緊急で何かあったのかと思ってかけ直した。

「もしもし？志希さんなんかあった？」

『ごめん、1個気になることがあって電話しちゃったんだけど』

「なに」

『玲於、彼女とまだ付き合ってるよね？』

「Aのこと？何でそんなこと聞くの」

『いや……』

「気になるから言えって」

『彼女、浮気してるんじゃないかと思って』

「へー……」

それでもう付き合えないなんて言われたのか
それなら少しだけ納得がいく。

『驚かないんだ？心当たりあったの？』

「それが……この間別れてくれって言われて」

『そうだったの……』

「なんか証拠みたいなのあるから連絡してきたんだよね？」

『あぁ……わたしの彼氏が見たっていうんだけど』

「彼氏？志希さん今彼氏って……」

『あー……そう、プロ野球選手の彼と付き合ってるの。……もう足洗ったんだー……(笑)なんてのはどうでもよくて』

「……もしかしてAが一緒にいるのって田鍋遥？」

『……そう』

何かあったとしたら正直そいつとしか考えられなかった。
プロ野球選手からの情報なんて言われたらそれは確定。

『2人で一緒に田鍋くんのマンションに入るとこ見たんだって。彼ももちろん彼女……あ、Aちゃん知ってるから。彼氏いるってのも聞いてたみたいだし、田鍋くんの方は付き合ってる彼女はいないって言ってたって』

「でもそんなマンション入ってったくらいで……」

『彼、田鍋くんと同じチームだからわかるって。球場内で抱き合ってるとこ見ちゃったって言ってたし』

「それ、いつ頃の話？」

『2、3週間前くらいって聞いた』

ちょうど会ってない期間だし、おかしくはない。
好きだったのは昔の話でただの友達だって
結婚するつもりもお互いにないって
そう言ってたのに、嘘だったんだろうか。

それとも急に心変わりした？

別に会えないことなんてこれまでもあったのに……
ずっと嘘つかれてたとか？

「人から聞いた話だけで信じたくないんだけど……」

『でも別れてくれって言われたんでしょう？』

「結構傷ついてるんだからあんまり言わないでよ」

『ごめん(笑)実はこんなこと言っといてわたしもちょっと信じられなくて、それで連絡した』

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