彼女からキスを盗む方法 Ⅲ【Reo】 (ページ26)

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126.憂虞ページ26

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「ほら、こういうことでそんな言い合いしてる時点でお互いにまだ子どもだよ」

「確かに」

「ねえ、ごま団子追加で食べてもいい？」

「いいけど、3つちょうだい」

「4つ入りなのに……」

「嘘だよ全部食っていいって」

最近はくだらない言い合いも増えて
やっと完全に遠慮しなくなってくれた感じがする。
もちろんいい意味で。

「玲於くん、ごちそうさまでした。ありがとう」

「ん。どういたしまして。帰ろ」

帰り、Aはいつものように周りを気にしていた。

「やっぱり別で帰ろうよ」

「大丈夫だって。もう撮られてもいい」

「ダメだよ何言ってんの……」

「ほら、いいから。そんなにバレないって。今までバレたことある？」

「玲於くんとはないけど……そういう問題じゃなくて……」

「……A？」

「今、なんか……」

「気にし過ぎだって」

Aをなだめて手を引いて
タクシーに乗せて一緒に帰った。

隣でずっとおとなしくしていたし
降りてからもちょっと距離を置いて歩いていた。

「玲於くん……」

「なに」

「ありがと……すき」

「はいはい」

しばらく会えなさそうだからか
やっぱり少し寂しいようで
寝る時はずっとくっついてくる。

「玲於くんも無理しないでね。お仕事がんばって」

「ん、じゃあね」

キスをしたら嬉しそうに笑ってた。

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《テレビ見てたよお疲れ様》

《明日もがんばってね》

うさぎのスタンプを見ると元気が出たし、
電話をすると「玲於くん、玲於くん」と
いつものように呼んできて
「早く年明けないかな」「うち来てね」
なんて言ってたのに

次会う時には別れ話をされるなんて
全く思っていなかった。

*