彼女からキスを盗む方法 Ⅲ【Reo】 (ページ16)

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116.初耳ページ16

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「よっ」

「え……ちょっと！お兄ちゃん！？なんで？！」

「あれ、父さんから聞いてなかった？」

「一言も聞いてないし！玲於くん聞いてた？」

「俺も聞いてない」

「逆に彼らがいるのを聞いてない。Aが呼んだっていう時点でそんな気はしてたけど」

突然の智哉さんの登場に驚くA。
俺も智哉さんから連絡もらってないし
もちろん知らなかった。

「父さんが来ないかっていうからさ……Aは何人か連れてくるって聞いてただけでそちらのお2人とは知らなかった」

「お父さんも言ってくれればよかったのに……『ごめん忘れてた！』とか言うんだよ絶対」

メンさんはこの兄妹が一緒にいるところを見るのが
初めてだからかちょっと遠巻きに見てて面白い。

「まーまーまー、智哉さん、お疲れっす」

「お疲れっす！メンディーさんも」

「お疲れっす」

「A、なんか食べもん持ってきて」

「はいはい」

「今日早くない？もう5回まで終わってんじゃん」

「その話さっきもうお兄ちゃんいない時に終わった」

「遥打った？」

「1回にタイムリー1本。二打席目は三振。今日はそもそも打席が回らない」

「まあそうよな、このピッチャーだし……あー今なんで振った？」

「明らかなボール球じゃん。さっきからタイミング合ってないし」

野球の話になると2人とも饒舌になるようで
さっきから話が止まらないし、
俺もメンさんも入る隙がない。

「先頭よんたまか……」

「うーん……ここが踏ん張りどころ」

次に試合が動いたのは8回表。
まだ先発ピッチャーが投げており、
先頭打者にストレートの四球で出塁を許した後
続けて2人にヒットを打たれ無死満塁のピンチ。

「点入っちゃうかな？」

「ノーアウトですからねえ……」

ツーアウトまで追い込んだものの
ヒットを打たれ2点を返し逆転された。

「「「あーーー」」」

「……まああと2回あるし、裏あるし……」

ピッチャーは交代、その後は抑えるも
8回裏は1点も入れられず、1-2のまま9回を迎える。

「とりあえず抑えてもらって……9回は遥まで回してもらわないとなー」

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