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とあるCAMPの裏側ー11 ページ36

机に顔を伏せたまま大袈裟に泣く真似をするヴィル先輩。


「不在って、どういうことだ?」


不在という内容に首を傾げたトレイ先輩に対し、私の髪を結っているルーク先輩が代わりに答えた。


「実はスタントマンを担当していた彼らは運動部にも所属していてね。つまり兼任ってやつさ。映画研究会にはあくまでスタントマンとして入部しているだけだから、彼らにとって本業は運動部というわけ。つまりは…」


「キャンプに参加して不在ってことか」


「ウィ、正しくその通りだよ」


分かりやすく言うとこうだ。
ヴィル先輩の所属する映画研究会にはスタントマンを担当する生徒が何人かいるそうだ。だが、彼らは運動部と映研を掛け持ちしているようで、今回は運動部全員参加のためのキャンプに行ってしまっているらしい。
そのせいで予定だったアクションシーンが撮影できないのだと先輩は嘆いているのだ。


「普段なら運動神経の良いエペルやジャック辺りにお願いするところなんだけど、今回ばかりはあの2人もいないしホント最悪の状況だわ」


どうしたものかと頭を抱えるヴィル先輩に、トレイ先輩たちはただ苦笑うことしかできない。


だがここで最悪な提案をケイト先輩が閃くのだった。


「あっ!そんなに撮影に必要ならここに素晴らしい人材がいるじゃない」


「素晴らしい人材って誰のことよ?」


「いやだから目の前に、ねえAちゃん」


ここに残っている生徒としたら運動があまり得意そうでない文化部ばかりなのだが。恨めしそうに睨むヴィル先輩をよそに、先輩はニヤニヤしながら私の方へ視線を向けてきた。


「…はい?」


思わず返事をしてしまったが、今なんと仰った。


「だから、Aちゃんなら代わりに任せられるんじゃない?」


「…えっ!?」


あまりの衝撃に立ち上がりそうになるが、それよりも先にルーク先輩が勢いよく肩を掴んで無理矢理座らせてきた。


「おやおや、せっかく綺麗に纏めた髪がズレてしまうよ。感情に身を任せる君も素敵なんだが、今はそれをも耐える君を見たいんだがね」


「す、すみません…」


要するにまだ髪をセット中だから動くな、ってことだよな。


背後からの圧に耐えつつ、私はケイト先輩をジトリと睨みつける。


「私できませんよ、そんな離れ技なんて」


「えー大丈夫だって。Aちゃんって見かけによらず結構運動神経良いよね。前に2階の教室から飛び降りてたし」


ゲッ、あれ見てたの!?

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フウカ(プロフ) - ゆうぺぺさん» コメントありがとうございます!また体調にも気を遣って頂き嬉しい限りです。これからも頑張って更新していきます。 (2021年12月3日 23時) (レス) id: 5e636c9530 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうぺぺ - 更新ありがとうございます!また、面白そうなお話ですね、リドルくんがいない中どうなるのか、楽しみです!!   体調にお気をつけて更新頑張ってください (2021年12月3日 19時) (レス) id: 1e7c50770b (このIDを非表示/違反報告)
フウカ(プロフ) - ゆうぺぺさん» コメントありがとうございます。こういった評価を頂いて嬉しい限りです!!これからも頑張ります! (2021年8月9日 15時) (レス) id: 80abe09472 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうぺぺ - 続編おめでとうございます!!今回の番外編もとても面白かったです!ジェイドさん、、頑張れ!本編の方もとても読みやすく、面白いです!これからも自分のペースで頑張ってください!! (2021年8月8日 19時) (レス) id: cad7fa7d96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フウカ | 作者ホームページ:http naru1  
作成日時:2021年7月12日 20時

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