【ツイステ】モブなのに、絡んでくるのはなぜ？4

170話 ページ24

「植木の水やりか、お遊戯くらいにしか役に立たないくだらない魔法だと思ってたのに」

「ふっ。カリムさんの力を侮っていたようですね」

彼の魔法を侮っては困る、とアーシェングロット先輩は笑みを浮かべた。

「ジャミル…お前がオレをどう思ってたか、よくわかった。間違いなく、お前は卑怯は裏切り者だ！」

覚悟を決めたカリム先輩だが、一方のバイパー先輩は見下した態度を見せつける。

「馬鹿め。疑いもせず信じるほうが悪いんだろ？」

「正々堂々、オレと勝負しろ。そしてオレから奪った寮長の座…返してもらうぜ」

自身の杖をバイパー先輩に向ける。

「奪っただと？ハッ…どの口が!!俺からなにもかも奪ったのは、お前のほうだ！」

怒りと共に先輩の魔力が増長していくのを感じる。

「俺に逆らえば、どうなるか見せてやろう…」

そう言ってバイパー先輩は片手で指先を少し動かすと、私が入った砂時計が自然と動き出す。
そして、砂時計が先輩の横へと置かれた。

「A!?」

私の存在に気付いたユウくんは目を大きく見開きながら驚愕する。

「巨大な砂時計の中にいるんだゾ!?」

「不味いですね、既に半分以上は埋まってます。このままですとクシナさんが生き埋めになってしまう」

グリムとアーシェングロット先輩の言う通り、私の状態は大変危ないことになっている。
上の砂は大分減ってきているようだが、下の砂は胸元にまで達していた。
なんとか砂から出ようと足を上げてみるが、底なし沼のようにどんどん砂の中へ填まっていく。

後もう少しすれば完全に埋まってしまう。

「ジャミル、Aを解放しろ!!」

「そんなに助けたければ自力で助けに来い！」

カリム先輩がすぐさま動きだすが、バイパー先輩の魔法により阻まれてしまう。

「ダメですよカリムさん。助けに行くのも迅速かつ慎重にいかなくては！」

アーシェングロット先輩が慌ててカリム先輩の肩を掴み、飛び出すのを抑えた。

「思い知るがいい。この俺の本当の力を!!アッハッハッハァ！」

バイパー先輩が高笑いを上げると、背後から怪物が姿を現す。
カリム先輩たちも一斉に杖を構えだす。

「パワー…絶大なるパワーだ！」

「ギャー！やっぱこのバケモンこえぇんだゾ！」

怪物の姿を見てグリムは驚いた拍子にユウくんの腕へしがみついた。

「キツいパンチを食らわせてやる！」

カリム先輩は魔法を発動させて攻撃する。
それに続いてアーシェングロット先輩たちも攻撃を繰り出した。

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