【ツイステ】モブなのに、絡んでくるのはなぜ？14 (ページ31)

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667話ページ31

「あー……君らも相当しつこいね。外まで、あともうちょい……最後で躓くわけにはいかないんだ……！」

先輩は静かに瞼を閉じると、一瞬にして赤へと姿を変える。
そして一言一句、憎しみを込めるように言った。

「なんで僕らの邪魔ばかりするわけ？ヒーロー気取りか？ウザったいなぁ！」

睨め上げる先には冷めた眼差しで自身を見下ろすシェーンハイト先輩の姿があった。

「ヒーロー？いいわね。1度くらいキャスティングされてみたい役どころだわ」

「でも……」と先輩は美しい顔を傾け、頬に手を当てて、憂うような仕草をする。

「ここには英雄(ヒーロー)も悪役(ヴィラン)もいない。アンタとアタシは、我を通したいだけの同級生。最後に立っていたほうが、夢を叶える権利を手にする。さあ、全力でぶつかり合いましょう。最後まで舞台に立っているのは―このアタシよ！」

堂々と言い切った先輩に、シュラウド先輩は歪んだ笑みを浮かべた。

ついに始まる。最後の戦いが―

「これが最後の戦いだ…」

【一緒にいこう、兄ちゃん！】

待ち構えるシュラウド兄弟の前に、シェーンハイト先輩たちを乗せた『チャリオット』が降りてくる。

「ユウ、アンタは子ジャガの元へ向かいなさい」

「はい！」

シェーンハイト先輩に言われて背後に控えていたユウくんが素直にチャリオットを下りていく。
その間にも残った3人は戦闘態勢に入っていた。

「A！」

ユウくんが私の名を呼んで駆け寄ってくる。
彼は焦った表情で私の安否を伺った。

「大丈夫？怪我とかしてないよね？あ、でも『チャリオット』から落ちたわけだし怪我はしてるよね……」

ユウくんは私の回りでおたおたするばかり。
そんな彼とは裏腹に、私は何故ここへ来たのか当惑してしまう。

「ユウくん、何故こちらへ来たんですか？」

私の問いにユウくんは一度動きを止める。それから一度深呼吸をしてから口を開いた。

「無線で教えてもらったんだ。レオナ先輩がすごい焦った感じで『クシナが落ちた！』って……」

落ちたって……ずいぶん雑な言い方ですね。
呆れる私をよそに、ユウくんは早口で経緯を報告する。

「それでイデア先輩たちと戦うついでにAを救出するからってヴィル先輩が言って、自分たちが戦っている間に子ジャガを連れてきなさいって言われて……今に至るわけなんだ」

「な、成る程」

息継ぎもなしに話していたせいか、かなり内容が端折っているように思えた。
というか、私はついでですか。