斉木空助のψ愛２【斉木楠雄のψ難】

病み上がりのψ難３ ページ34

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「今度、楠雄に試してみてもいい？」

「……楠雄くんにはウザがられそうですが、８号の威力を試してみたいので賛成です」

「うん、楠雄の肩慣らしにはなるんじゃないかな」

「これが肩慣らし！？やり過ぎかな〜と思ってたのに……どれだけ強いんですか、」

「そんな簡単に楠雄には勝てないよ。僕が何度楠雄を追い詰めて、何度ギリギリの所で……フフッ……」

「あ、もう大丈夫です話さなくて」



斉木さんは目を閉じて、顔を赤らめながら悦に浸り始めた。

生憎ドMの斉木さんには用はない。

私はボロボロになった研究室を掃除するべく、不燃ゴミ用の大袋を広げる。
大方の瓦礫はお掃除用アンドロイド１５号が片付けているので、石ころ程度の大きさの瓦礫を箒で掃く。

お手伝いさんに頼む事も出来るが、あの大きな屋敷の手入れでも大変なのに、余計な仕事を増やしたらオーバーワークだ。

黙々と箒を掃き続けていると、背中にズシリと重みを感じた。


「お、重っ、斉木さん体重掛けないで下さい。私今掃除してるんですけど」

「……そういえばさぁ、熱出した時に『手出していい』って言ってたよね？」


……っう、あれか。

私が「嫌いにならないで」と無様に泣いた後、斉木さんが「手が出せないの知ってて、こんな事してるんでしょ」と言ったのを勘違いした時の事か。

私は『手を出す』事を暴力を振るうという意味で捉え、覚悟を決めて了承した。
しかし、斉木さんは『性的に』という意味で言っていたのだ。


「言ってたよね？ちなみに熱の所為だったからとか言う下らない言い訳は通らないし、ICレコーダーで録音してるから、言質は取れてるからね」

「……っ、」


流石は抜け目ない対策をなさって……とか言ってる場合ではない。
どうしてくれよう、この状況。


今まで斉木さんと散々色んなアレやコレやしてた身で何言ってんだという感じだが、やはりキス以上はいくら斉木さんでも抵抗がある。

ご両親との顔合わせの前夜の事は……うん、まぁ、ついつい流されてしまったというか、……うん、すっごい良かった……いや違う違う！！

とにかく、キスやらなんやらは思い出として済ませられるが、キス以上はリスクが大きすぎる。
というか、そういう事はお互いが『愛してる！』とならないとしてはいけない。というかしたくない。

つまり、嫌われている事は無いにしろ、私をまだ『興味本位で構う研究対象』として見ているであろう斉木さんとはお断りだ。

いつか私が完全に斉木さんの気持ちを掌握……ん゛ん、ゲット出来るまでは、申し訳ないが回避させて頂こう。

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