斉木空助のψ愛２【斉木楠雄のψ難】

天ψ科学者VSイケメン俳優６ ページ21

.


やはり彼等は六神さんの関係者の方々だったらしく、親しげに話し始めた。

良かった、斉木さんに新手の『可愛い』拷問を受けてる最中じゃなくて……。


「……っあ！六神く〜ん！いたいた！本当ゴメンネ〜！大変だったでしょ？空港で騒がれちゃったんだってね」

「プロデューサー！あー、空港の件はなんとか大丈夫でした。全然気にしなくていいですよ！こちらの方に助けて頂いて、今まで一緒に待ってくれていたんです」

「あ、ほんと！？なら良かったよ〜！うちの六神がお世話になりました」


六神さんはササッと化けの皮を被ってトップアイドル『六神通』に変化した。
本性とのギャップあり過ぎて、ゲインロス効果(ギャップ萌え)もあったものではない。

プロデューサーと呼ばれた中年男性は、人好きの良い笑顔で斉木さんと私にお礼を言った。
……肩からカーディガンを掛けるのは、プロデューサーの習性なのだろうか？


「あ、あぁ……いえ、とんでもないです」

「じゃ、合流出来たみたいだし僕達は出ようか」

「そうですね。では、失礼します」

「おっ……おおう…！ちょっ、ちょっと二人とも待って！」

ガシッ

「……っえ、な、何ですか」


プロデューサーは私達を呼び止めると、急に私の両手を掴んだ。

斉木さんと手を繋ぐ時とは全く違い、あまりいい気分ではなかった。

うーん……早く手を離して欲しい。
と思いつつも、プロデューサーがあまりにも輝く目をして見つめてくるので、無下には出来ない。

困っていると、斉木さんがサラリとプロデューサーから私を離してくれた。
なんて自然な嫌味のない動き！イケメンは行動までイケメンなのか。


「……何でしょう？もう用は済んだ筈ですけど」

「あ、ごめんごめん！勝手に彼女さんの手触られたら嫌だよね！つい感動しちゃって、」

「感動？」

「そう感動だよ！感動！！君達！芸能界には興味ないかい！？僕はこう見えて敏腕プロデューサーと呼ばれていて、才覚は確かなんだ！君達はきっと売れる！！」


あ、熱い……。

熱意は伝わったが、申し訳ない事に斉木さんは勿論、私も芸能界には全く興味がないのだ。

超能力という最大の隠すべき事情があるのに、何故必要以上に目立たなくてはならないのか。


「彼の方は長身で、中性的な美しさがあるよね〜！クールな目線に女の子もメロメロになっちゃうんじゃない！？六神くんとツートップも夢じゃないよ！」

「はぁ」


うわ、興味なさそう……。

天ψ科学者VSイケメン俳優７→←天ψ科学者VSイケメン俳優５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す