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『その子は……』
帰り際に出会った住職は竹箒を投げ捨て、俺たちの元に駆け寄る。
Aは覚えていないのか小首を傾げており、それでも住職はオロオロと手の行き場を無くしていた。
抱き上げていた彼女を地面に下ろせば俺とAを交互に見つめ、「そうかそうか」と頷く。
『ああ良かった』
『本当に良かった……』
「大きくなったね」とAの頭に手を乗せて優しく撫で回す。彼女はそれに少し戸惑うような顔を見せるも、直ぐに照れ臭そうな顔に変わった。
住職に抱えきれないくらいの菓子を貰ったAは横を歩いていたのだが、不意に俺のことを見上げる。
『しんすけさん、カップケーキが食べたいです』
『カップケーキ?』
『はい。誕生日に食べるんです』
確か幼稚園で食ったと吉田松陽から聞いていた。初めて素直に言ったオネダリがまさかのカップケーキだとは思わなかったが、それもまたAらしい。
『残念だなァ、家にショートケーキとチョコレートケーキがあるんだが……』
『お前はカップケーキが欲しいのか』
ケーキという言葉に反応を示したAは、俺の腕を引っ張って「はやく帰りましょう」とあどけない笑顔を見せた。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - 昔の自分と比べてしまいました。あなたの作品がとても好きです。この作品に出会えたこと、心から感謝しています。涙を拭きながら、読み進めようと思います。 (2019年1月27日 16時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こんにちは、コメント読んでいただけているかどうか…でも、もしよんでくださるなら。わたしは、ハルさんの作品に心底惚れています。自分の書きたいものをえがくことって素晴らしいと思うんですよね!だから、周りの意見に惑わされず「ハルさんの作品」を待ってます (2018年5月2日 0時) (レス) id: a53110be97 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - 今更...な感じがしますけど、コメント失礼します。私、この作品読みながらずっと泣いちゃってました。素晴らしい作品だと思います。何回読んでも飽きないですね!感動しました。 (2018年4月2日 22時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
ハル@六月に一時帰還予定(プロフ) - みなさんコメントありがとうございます〜( ; ; ) お一人お一人にご返信をしたいのですが、下の方のコメントが消えてしまいそうなので割愛させていただきます( ; ; )無念……。沢山の励ましのコメントを胸にこれからも頑張って行きますので、応援お願いします!! (2018年2月1日 17時) (レス) id: 9ebc1e1d82 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 心に響きました。恋愛要素など無くとも、人を感動させられる小説は素晴らしいと思います。これからも頑張ってください。応援しています! (2018年1月12日 20時) (レス) id: acfcc66616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年10月6日 18時