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『Aの、』




本当は頼りたくなかったが、時間がないため仕方がない。渋々といった表情を浮かべた俺は翌日Aを送り出した後、吉田松陽を呼び止めた。


「なんですか?」とニコニコとした笑みで近づいてくるから、一歩後ろへ距離を取っておく。




『……Aの誕生日が来週だと分かった』
『だがプレゼントに何が欲しいか言わねェ』




「どうしたらいい」と短く吐き捨てればキョトンとしたような顔を見せる。しかしそれも直ぐに解き、ふっと吹き出すように微笑んだ。


その顔に腹が立って「もういい」と踵を返そうとするも、「……そうですね」と話し始めてしまう。




『デパートなどのおもちゃ売り場に連れていったりしてみたらどうですか?』
『目に止まったおもちゃをプレゼントするのもひとつの手ですよ』




さすが毎日幼稚園児を相手にしているだけあって的確な助言だった。俺はそれに頷き、「どうも」と短く礼を述べてから背を向ける。


しかし「Aさん」と今度は俺が引きとめられた。




『最近は少しずつ緊張の糸が解れてきたと思うんです』




突然そう言われても直ぐに返す言葉が思い浮かばない。それにまだ何か続きがある気がして、俺はそのまま黙り込んだ。


案の定吉田松陽は目尻を下げて両の口角を上げ、ニッコリという擬容語が似合うくらいに笑う。




『それはきっと、貴方のおかげなんですね』




「違う」と謙遜が出来なかったのは俺自身もそう思っているからではなく、そうだったらいいと……思っていたからだった。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 吉田松陽   
作品ジャンル:アニメ
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - 昔の自分と比べてしまいました。あなたの作品がとても好きです。この作品に出会えたこと、心から感謝しています。涙を拭きながら、読み進めようと思います。 (2019年1月27日 16時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こんにちは、コメント読んでいただけているかどうか…でも、もしよんでくださるなら。わたしは、ハルさんの作品に心底惚れています。自分の書きたいものをえがくことって素晴らしいと思うんですよね!だから、周りの意見に惑わされず「ハルさんの作品」を待ってます (2018年5月2日 0時) (レス) id: a53110be97 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - 今更...な感じがしますけど、コメント失礼します。私、この作品読みながらずっと泣いちゃってました。素晴らしい作品だと思います。何回読んでも飽きないですね!感動しました。 (2018年4月2日 22時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
ハル@六月に一時帰還予定(プロフ) - みなさんコメントありがとうございます〜( ; ; ) お一人お一人にご返信をしたいのですが、下の方のコメントが消えてしまいそうなので割愛させていただきます( ; ; )無念……。沢山の励ましのコメントを胸にこれからも頑張って行きますので、応援お願いします!! (2018年2月1日 17時) (レス) id: 9ebc1e1d82 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 心に響きました。恋愛要素など無くとも、人を感動させられる小説は素晴らしいと思います。これからも頑張ってください。応援しています! (2018年1月12日 20時) (レス) id: acfcc66616 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory  
作成日時:2017年10月6日 18時

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