恋の始まりと終わり【wrwrd!】 (ページ6)

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表裏一体【sha】ページ6

ミーンミンミンミーン

話し声までかき消すほどの蝉の声。
ベタベタとまとわりつく汗。
学校でなければ、家から出ないであろう気温と湿度。
今日は待ちに待った体育祭…らしい。

「なあA！なあ！なあってば！！」
『なーに？もううるさい！』
「おれ、次の障害物競走出るねん！応援してや！！」
『あ～はいはい。見とくよ。それよりシャオさん、もうみんな集まっとるよ。はよ行き』
「じゃあな～！」

シャオロンは、高校に入ってから初めてできた友達だった。
彼の活発な性格と、分け隔てない接し方、太陽のような笑顔は、私のような陰キャと正反対。
入学して5か月ほど。今になって劣等感を感じるようになった。

「よ～い！」
パン！

応援して、なんて言ってたけど、シャオロンを応援してくれる女の子なんてたくさんいるやん。
走るの早いし、どうせ一位なんやろ。

そう思った私は、なんとなく応援席に居づらくなってしまったので、ゴールと反対側の救護テントに移動した。日陰は偉大だ。涼しい。

「A！！」

彼が救護テントのほうに走ってくるのが見える。
『シャオさん！？なにやってんの！！こっちゴールとちゃうよ！？』

「俺のお題、お前じゃないとあかんかってん！ついてきて！」
彼は私の左手首を取ると、ゴールに向かって走り出した。